テラーノベル
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続き
⛄BL
💛×💜
ー
💛side
「ただいまー。」
「…ってふっか、まだ起きてたの?」
夜の11時過ぎ、急遽ダンスのレッスンが入り、ふっかに先に帰っててもらった。
そのレッスンから帰ってくると、リビングの明かりがついていた。
「うん、シャワー浴びたら目覚めちゃって」
「まあ、いつも照と一緒に寝てたから1人で寝られないってのもあるけどね」
そう言いながら、ふっかはソファから起き上がってキッチンへ向かう。
部屋着のTシャツがダボッとしていて、その下には短パンを履いているからか凄くエロ…いや、可愛い。
「ちょっと待ってて。温めるから。」
「え?」
キッチンから漂うのは、ほんのり甘くて少しだけスパイシーな匂い。
ふっかが取りだしたのは、タッパーに入った少し歪な形の煮込みハンバーグだった。
「これ…ふっかが?」
「まあ、材料は照が買ってくれてたし、レシピ見て適当に…」
「って、その顔やめろよ!ちゃんと俺が作ったから!(わら」
「いや、意外すぎて言葉が出なかっただけ…」
ふっかが作った料理だなんて、初めてかもしれない。
普段は俺が作ったり、出前だったり外食だから。
ふっかは不器用そうに電子レンジと格闘しながらポつりと呟いた。
「たまにはさ……俺も、照の「ただいま」になりたいじゃん?」
その言葉が、胸にじんわり沁みる。
「……なるほどな」
ふっかの気持ちが、言葉にせずとも何となくわかった気がした。
食卓につくと、テーブルの上の煮込みハンバーグとサラダとスープ。
見た目はちょっと不揃いだけど、どれも丁寧に作られている。
「いただきます」
挨拶をすると、嬉しそうにふっかが笑って、同じタイミングでフォークを入れる。
…俺と食べるために、こんな時間まで待っててくれたって考えると、胸が締め付けられる。
1口食べて、口に拡がったのは、懐かしい味だった。
「……あれ、これ、」
「ん?」
「昔、母さんが作ってくれたやつに似てる」
この、少し塩味が強くてご飯が食べたくなる味、本当に母さんと似てる。
「うそぉ、ほんと?」
「ほんと。…だから、ちょっと泣きそう」
「え、やば。俺天才?」
「え?」
「おい否定もしないのかよ(わら」
「…でも、照の好きが重すぎて俺にも移っちゃったかも」
「…ふっ」
吹き出す笑いが、思わずこぼれた。
「それなら悪くないわ」
ふっかはスープを意味もなくかき混ぜ続けながら、少し照れた顔で言った。
「今まで好きって言われるばっかで、返せてなかったからさ。……俺も、ちゃんと返さないとって思って」
「言えばいいじゃん。素直に。」
「今、言ってるじゃん。言葉にしてないだけで」
最初はその意図がわからなかった。
多分、少し前の俺はどれだけ考えても分からなかったと思う。
今なら、分かる気がする。
この、煮込みハンバーグだったり、寝ずに待ってくれてる時間だったり、一緒に食べたいと言ってくれる事だったり。
そういう全部が、ふっかに取っての「好き」の表しなんだろう。
「これからも、よろしくな。ふっか」
「おう。任せとけ照」
俺たちの日常は、多分これからも、こんな風に続いていく。
「特別」っていう程じゃないけど、たしかに暖かい日々が。
それが今は、何よりも幸せだった。
ーー
ストック切れてしまって、投稿遅れてしまいました
そろそろ他の連載も始めようと思っているので、よろしくお願いします☺️
ちなみに、皆様の求めている𝖢𝖯等はいますでしょうか?
もし良ければ教えてください💞
フォロワーさんも、急増してて嬉しい限りです✨
実は、私が投稿してない間にこの連載、ランキング上位に入っていたんです😭
もう感謝しか言えません…ありがとうございます🥲
コメント
5件
いわふか💛💜 ふっかさんの優しさが愛おしい✨
いわふかさいこー!🥹💗 めめさくみたい🥺💗