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第53話『アダムの告白』
🏛️第一幕:神の玉座
英雄たちは光に導かれ、ゴッドエデンの神殿の最奥──
「始まりの間」へと足を踏み入れる。
天上から光が差し込み、巨大な玉座の前に立つ神がひとり。
その男こそ、最高神アダム──地球人類の創造主であり、
全宇宙の秩序と調和を司る存在だった。
アダムは静かに、だが深く温かい声で語り始める。
「ようこそ、我が子たちよ。
よくぞ世界を、光へと導いてくれた。」
ゲズたちは自然と膝をつく。
リオンが一歩進み出る。
「アダム様……教えてください。
あのルシフェルとは、いったい何者だったのか……」
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🕊️第二幕:宇宙の始まり
アダムは天井を仰ぎ、ゆっくりと語り始めた。
「この宇宙が誕生する以前、すべては“無”だった。
その“無”に現れた2つの光──それが創造神ゼウスと、愛の神ヘラだった。」
「ゼウスが空間と時間、つまり“宇宙”を創り、
ヘラがその宇宙に命を宿した。
そして、彼らの間に生まれた3柱の神──」
アダムは目を閉じる。
「それが私と、サタン、そして長兄・ルシフェルだ。」
ゲズたちの目が見開かれる。
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🔥第三幕:堕ちた神、ルシフェル
「ルシフェルは生まれながらにして、強く、美しく、そして……孤独だった。
彼は自由を渇望した。
“創造された秩序”に抗い、自らが“真の神”となることを望んだ。」
アダムの言葉には、どこか哀しみが滲む。
「彼は“不死”という禁忌に手を出し、自らの細胞に“核”を埋め込んだ。
それはあらゆる死の概念を無効にする、“永劫の魂”──
その結果、かつての彼はもうどこにもいなかった。」
セレナが問う。
「……では、私たちは兄弟を殺したのですか?」
アダムは首を横に振る。
「否。お前たちは、“かつて兄であったもの”を終わらせたのだ。」
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⚖️第四幕:世界の均衡
「宇宙には均衡が必要だ。
私は調和を司り、サタンは混沌を支配し、ルシフェルは力を象徴する存在だった。」
「そのうちのひとつ、力の象徴であるルシフェルが倒れ、
今、世界の均衡が揺らぎ始めている。」
ゲズが言う。
「次に現れるのは……サタンですか?」
アダムは答えない。ただ静かに、神殿の外の空を見つめていた。
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🌌第五幕:新たなる試練の予感
その時、空間が一瞬軋むような音を立てた。
誰かが“何か”を覗いているような、得体の知れない重圧──
リオンが剣に手をかける。
「……今の、なんだ?」
アダムが囁くように言った。
「……闇は、常にどこかで目を覚ましている。
だが、まだその時ではない。
今は、束の間の休息を得よ。そして、備えるのだ。」
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