テラーノベル
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白いぼうし
三
松井さんが、車にもどると、男の客は、にこにこしながら、
「どうでした、運転手さん。」
と、たずねました。
「ええ、チョウが、一匹、入っていましてね。かわいそうだから、逃がしてやりました。その代わりに、夏みかんを、おいてきましたよ。」
「ほう、それは、おもしろい。夏みかんの化けた、チョウですか。それとも、チョウの化けた、夏みかんかな。」
客は、おかしそうに、笑いました。
車は、また、走り出しました。
しばらくいくと、道路のわきに、ひとりの、小さな女の子が、立っていました。
女の子は、おかっぱ髪に、赤いリボンをつけて、白いワンピースを、着ていました。
女の子は、小さく、手をあげました。
松井さんは、車を、止めました。
「どこまでですか、お嬢さん。」
女の子は、はずかしそうに、
「あの、なのはな横丁まで、お願いします。」
と言って、ちょこんと、後ろの座席に、座りました。
「なのはな横丁ですね。かしこまりました。」
松井さんは、車を、発車させました。
三段落 終わり
コメント
1件
あっ、これ童話みたいで優しい世界観…🥀🤍 チョウを逃がしてあげた運転手さん、ほんとに優しい人だね。「代わりに夏みかん置いてきましたよ」って言い方も、なんだか心がほっこりするし、「夏みかんの化けたチョウ」って返すお客さんも面白い🖤 あと、最後に出てきた女の子、「なのはな横丁まで」って言葉だけでなんか可愛い…これからどうなるんだろ⋆ 続き、すごく気になる~~!