テラーノベル
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翌日。座敷童子ちゃんがやる気なら、私は頼みたいことがあった。私は菓子盆にお菓子を山盛りにし、茶葉2倍練乳ドバ入れミルクティーを淹れ、それらを携えて書斎に入って座敷童子ちゃんを呼んだ。
「ねえ! 座敷童子ちゃん! 今ちょっといい?」
[どうしたのだ?]
目の前に座敷童子ちゃんがポンと現れた。
「これどうぞ」
[おっ、気が利くのだ]
座敷童子ちゃんは菓子盆を受け取って書斎の机に置き、ミルクティーのマグカップも受け取って、椅子に座ってもしゃもしゃやり始めた。私は彼女に聞いた。
「ねえ、座敷童子ちゃんはこの館を繁盛させてくれるんでしょ?」
[もちろん。あたちがいる限り、意地でも繁盛させるのだ]
この館の稼業があるとすれば、それは掛川さんが残した資産の運用である。
「あのね、私、座敷童子ちゃんに、相続した株の管理の相談をしたいの。今後うちを頼ってくる人が増えるなら、なるべく資産増やしときたくて」
親の3億が増えるのは業腹だけど、掛川さんの遺産であればちゃんと管理したいし、増やせるなら増やしたいのよね。
座敷童子ちゃんは[大賛成なのだ!]と両手をバンザイした。
「じゃあ、まず今ある株チェックしてもらってもいいかな?」
[いくらでもやるのだ]
私は、座敷童子ちゃんを椅子に座らせたまま書斎のパソコンを立ち上げた。私が掛川さんの株を相続したとき、株を移すためにネット証券口座を作ったので、そのサイトを開く。
「売ったほうがいい株があるなら売って、いい株があれば買うって感じにしたくて……今ある株で、売ったほうがいいの、ある?」
座敷童子ちゃんは、[貸すのだ]と私からマウスを奪い、危なげなく操作していろいろ見てから言った。
[ふーむ、今売るべき株はないのだ。短期的に見れば細かい上げ下げはあるけど、長期的に見ればどれも上がるのだ。まだ持っておくべきなのだ]
「そうなんだ、掛川さんすごいな」
優良株ってことねえ。
「じゃあ、買ったほうがいい株ってある?」
[じゃ、あたちの仲間がいる会社を出すのだ]
座敷童子ちゃんはマウスを軽快に操作した。
[この、フルカラーって会社なのだ]
「え、フルカラーが?」
[急成長して大繁盛してるのだ。これからも繁盛するのだ。まさに買いなのだ]
「そう……フルカラーって、そうなの……」
疑似三次、ひいては柴胡ロジーの所属会社。柴胡ロジーがこれからも人気なら、これからも企業の手厚いサポートを受けられるなら、これほど嬉しいことはない。
「私、この会社が健全に経営しててくれたらありがたいのよ」
[知ってる会社なのだ?]
「昔の友達がね、ちょっと縁があってね」
[へえー、買うのだ?]
「これは喜んで買う」
1000株買えばいいかなと思ったけど、掛川さんの遺産ならうなるほどあるし、こないだウイスキー売ったお金もあるしで、思いきって1万株購入。これでよし。
夕飯の時、ヤカに経緯を話したら{それはよかった}と喜んでくれた。
{とてもいい案だ、座敷童子氏に掛川氏の資産運用を相談するのは}
「えへへ」
{それに、フルカラーが安泰なら、あなたの好きな柴胡ロジーも安泰ということだろう}
「まあ、柴胡ロジーを手厚くサポートしてくれる会社でい続けてほしいなって思ってね」
昔の友達。あの子が最前線で大活躍しているのがまぶしすぎて、それに引き換え私の状態があまりにも惨めで、だから私はあの子と連絡を取らなくなってしまった。
でも、あの子がこれからも活躍すればいいと思っている。あの子が、自分のやりたいように活動し続けてくれればと願っている。たとえその結果、最前線じゃなくなったとしても、ずっとずっと応援してる。
コメント
1件
座敷童子ちゃんにお菓子とミルクティーでご機嫌を取ってから株の相談をする流れ、微笑ましくて好きです。「短期的には細かい上げ下げがあるけど長期的にはどれも上がる」って座敷童子ちゃんが言うのが頼もしいですね。そしてフルカラー株を買う決断に、昔の友達への応援の気持ちがにじんでいてじんわりしました。連絡を絶ってしまったけどずっと応援してる、その切なさが胸に残ります。
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