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夜が再び訪れた。
暗闇が広がる中、カイトは深い息をつき、心の準備を整えようとしていた。
ユウキが無実の村人だったことは皆に大きな衝撃を与えた。
無駄に命が奪われ、彼らの疑念と恐怖はさらに膨らんでいた。
カイトはその重圧に耐えながら、自分の次の一手を考えていた。
「僕は裏占い師だ。真実を知るには、まず嘘を見抜かないといけない。」
カイトの頭の中でその言葉が何度も反響していた。
彼が占うことで、相手の正体は嘘として表示される。
しかし、逆にそれを知ることで真実に近づくことができるはずだ。
今回こそは誰かを占って、何かしらの手がかりを掴まなければならない。
自分の能力を活用するタイミングが来たのだ。
暗闇の中、カイトは決心を固めた。
「誰を占うべきか?」
彼の頭の中で候補が浮かび上がる。
リョウは冷静でリーダーシップを発揮しているが、彼が本当に村人であるかは分からない。
逆に、リョウこそが人狼である可能性も排除できない。
だが、彼は他の参加者たちをまとめる貴重な存在だ。
もし彼が人狼なら、早めに対処しなければ、さらに混乱が広がるだろう。
「リョウを占おう……」
カイトは静かにそう決めた。
彼が人狼ならば、このゲームの進行が大きく変わる。
逆に、彼が村人ならば、彼を信じて行動を共にすることができるかもしれない。
夜が明けると、再び薄暗い照明が灯り、部屋がゆっくりと明るくなった。
カイトは夜の間にリョウを占った結果を確かめた。
だが、その結果は予想通り「人狼」と表示された。
つまり、リョウが村人である可能性が高いということだ。
だが、その事実をどう伝えればいいのかがカイトには分からなかった。
自分が「裏占い師」であることを信じてもらえるかどうかも不安だった。
「次の犠牲者は……」
スピーカーから再び冷酷な声が響き渡る。
全員が息を呑んでその言葉を待った。
誰が襲われたのか、その瞬間が訪れる。
「犠牲者は……ナナミだ。」