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「じゃあ、そろそろ学園に行きましょうか」
「はい、
…どうやって?」
綺麗な所だとは思っていたけど、よく見たら360度周りが崖。…というか、土地がふわふわしてる。ファンタジーでよくある浮島だ、これ。
「翼に決まってるじゃないですか」
「んなもんねぇよ」
「?」
つい敬語が外れてしまった。だってある訳ないもんそんなの。
「あぁ、えーっと、」
シクロさんが突然、ふわりと飛び跳ねた。すると、さっき病室で見たような黒々とした翼がまたハサッっと出てきた。
「こうです」
「え、どう?」
「こうです」
どうだよ。
「だからこう、ぴょん、ふわぁ、って」
「ぴょん、ふわー?」
埒が明かないので、とりあえず言われた通りやってみる。
ぴょん。あまり力を入れずに、軽めに跳ねる。でもこの体は高二男子。何をどうやってもふわぁとはならない。
「どうすんだこれ」
「どうしましょうか」
「あれー?だれそのひとー?」
後ろから現実では聞いたことないほど間延びした声が聞こえてきた。
振り返るとそこには、
胸元にでっかいオレンジ色のリボンをつけた、猫耳ショートカット女子がいた。
もうこれ新手の異世界転生だろ。
「あ、お師匠さん」
「なにしてるのー?」
師匠、と呼ばれた猫耳は、これまた巨大な純白の翼をばたつかせてこちらへ降りてきた。
「こちら、私の眷属なのですが、翼の出し方が分からないみたいで」
あぁ、すっごい雑な紹介だ。
「つばさのだしかたー?えーとねー、ぴょんってとびながらー、けんこーこつを、うしろにぐーってして、じめんにつくちょくぜんにねー、あしをうかせるの!」
さっきよりは具体的になったけど、この人の喋り方、無茶苦茶理解がしにくい。
でもとりあえずやってみる。ぴょんと跳ねて、肩甲骨、脚を…まげる、?いやこれ捻挫する、
と思ったけど、地面に足がつかない。
「あー、できてるー!」
「できましたね」
どうやら翼を出せたみたいだ。
俺の翼って、何色なんだろう。
「黒混じりの、水色ですね。髪の色とほぼ同じです」
やっぱ心読んでるな。
「ちょっとこっちでーぱたぱたしてみてー?」
パタパタ…?分からないけど、とりあえず肩周りをもぞもぞしてみる。
「ぜんぜんとべてないよー?」
「えっと、どうすれば…?」
「んー、こうやってー、おおげさにこきゅうするみたいな!
あー、そーそー!そんなかんじー!」
確かに、何か今までになかった感覚がある。
「どー?きもちーでしょ!」
気持ちいいのか?これ。
「いや、別に…。あと、貴方はどなたで…?」
敬語、敬語。さっき失敗したからな。
「ぼくはー、うふてー!」
「私のお師匠さんです」
師匠と言うには、明らかに年齢がおかしい。
…とかいうと、多様性やらなんやらに反する気がする。
「飛べるようになったんですよね?」
「あ、はい」
「じゃあ、今度こそ行きましょう」
「いこいこー!」
次回へ続く