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加藤あいさ
21
哀 川 せ せ ら .
14,946
ねむ
222
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美虹は快晴を担いで別館の玄関ホールの場所に来ていた。
美虹「ああああ閉まってる!」
美虹は快晴の腰周りを掴んでいる腕と反対の手で、別館の扉に手をかけドアノブを下ろすが、ガチャガチャと音を鳴らすだけで全く開かなかった。
美虹「もう!!」
快晴「ハァ…せんぱ…ッ、裏…ッち…ハァ…」
美虹「裏…ち?…裏口ね!?」
快晴の荒い呼吸をしながら放たれた言葉は聞き取り辛かったが、美虹は頭が良い方なので察しは良く、快晴が伝えたかった言葉を訳す事が出来た。
美虹はそのまま快晴を担いで、走って裏口を探す。
美虹「(裏口だったら、玄関ホールの対面上。階段の裏側か、階段の向こうにあるハズ…)」
美虹はそう考えて裏口を目指すと、彼女の思惑通り、裏口はあった。
美虹「なっ!?扉の隙間に沿ってガムテープでガッチガチにとめられてる!? 」
快晴「ハァ…ッカッター、ハァ…持ってます?」
美虹「無いわ」
快晴「僕も…フーッ」
美虹「快晴君、回復したら降りてよね」
快晴「良いですけど、また直ぐバテますよ」
美虹「レディに担がれる紳士とかダサいわよ?」
快晴「なら問題ありません。現在進行形で僕を担いでいるのはレディではありませんし、僕は別に紳士目指してませんし」
美虹「あーあ可愛くない」
快晴「先輩、地下に行きましょう」
美虹「どこか解るの?」
快晴「あのホームレスが言ってました。玄関ホールの右側に地下があるって…」
美虹「玄関ホールから向かって右側…って事は、別館東側ね!」
快晴「おそらく」
美虹は呼吸が整った快晴を担ぎ直し、そのまま地下がある方へ歩いて行った。
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玄関ホール。
裏口から玄関ホールに着いた美虹。
美虹「(玄関から見て右側…今の私の位置から見て左ね!)」
美虹はそう考えて、向かって左側の通路に入る。
美虹「(廊下の通路から見て左側の壁に扉が二枚)」
美虹は一番近くにある扉に近づき、ドアノブを下げて扉が開くか否か確かめる。すると、扉はすんなりと開いたが、ギィィィ…と錆び付いた音がした。
美虹「中は、リビングね…」
美虹は扉を閉めて快晴を肩に担いだまま、リビングを徘徊する。
快晴「先輩体力あるッスよね?」
美虹「アンタが無さすぎなのよ」
テレビの裏やボロボロなソファの裏、食卓机の下、リビング内をくまなく探すが、目ぼしい物や、地下へ行く扉などは見つけれなかった。
美虹「リビングの向こうにあるのは、キッチンね」
快晴「ここで家族皆で食事をしていたんでしょうかね?」
美虹「多分ね」
美虹はリビングに続いているキッチンをくまなく探したが、何も無かった。
美虹「キッチンのこの扉は?」
美虹は扉のドアノブを下ろすと、ガチャッ…と音を立てて開いた。
美虹「中は随分綺麗…。いや、多分食料庫ね…」
野菜などは無く綺麗な部屋だが、野菜が入っていたであろうカゴが、棚にあった。それを見た美虹が「食料庫の部屋」と推測した。
美虹「食料庫の部屋の右側に扉が…!」
美虹はその扉まで駆け足で行き、ドアノブを下ろして扉を開けた。
美虹「あ、え?さっきの廊下に出たわ」
快晴「二枚目の扉は食料庫に続いていたんですね」
美虹「はァ!?あのホームレス嘘ついてたの!?」
「右側に地下がある」と言って毒殺されたホームレスに八つ当たりをするように声をあげる美虹。
快晴「先輩」
その時、ずっと担がれて床しか見えない快晴が、床を見ながら美虹を呼んだ。
美虹「なぁに?」
快晴「リビングに続く扉の前に立ってください」
快晴が静かにそう言うので、美虹は言う通りにした。
美虹「何?」
快晴「床を見てください」
美虹「床…?」
美虹は床を見てみると、赤い染みがあった。
美虹「なッ!?血ッ!?」
快晴「向かいの壁に続いてます。あ、下ろしてください」
快晴がそう言うと、美虹は容赦なく快晴を落とした。
快晴「いだッ!!……別に落とさなくても…」
美虹「レディのお荷物になったんだからこれくらい安いものでしょ?」
快晴「だから……ハァ…もうええッスわ」
快晴は床に着いている血溜まりを見た。その血溜まりが続いている壁に向かって、快晴は掌を置いてそのままグッと押した。
すると扉は回転して、壁の向こうの景色を晒した。
美虹「江戸時代の隠し扉!?」
快晴「入りましょう」
美虹「ええ」
快晴と美虹は隠し扉の向こうに入った。
そんな二人の背後には、包丁を持った路郎が不敵な笑みを浮かべていた。
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隠し扉の向こうは階段ではなく下り坂になっていた。快晴と美虹は歩いて下り坂を降りると、突き当たりには扉の無い部屋が見えた。
快晴と美虹は扉のついていない部屋に入ると、両目を見開き愕然とした。
快晴「コレは…」
美虹「酷い…ッ!」
血塗れの女性の死体が壁の周りに飾るように配置されていた。腐敗臭はしない物の、ハエやウジが集っており、遺体を食べていた。
快晴「先輩…ッ!アレ…ッ!」
美虹「あッ…!音奈ちゃん!」
快晴が指差す先には、行方不明になっていた音奈の遺体があった。かろうじて顔は綺麗に残っているものの、体を滅多刺しにされて血塗れになっていた。
その右側には、頭が陥没して血を流して死んでいる莉來の遺体があった。
美虹「莉來ちゃんまで…ッ!」
美虹と快晴は顔を真っ青にして冷や汗をかき、震え上がった。
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