テラーノベル
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100
ぬぬ
799
REN☁️🫧💎
20
第2話
⚠️ないふ、SF、エセ関西弁、解像度低⚠️
「……ないこ、俺を消すん……?」
切なさを含んだ声と、吸い込まれそうな青い瞳。
感情を持ったロボットなんて歴史的偉業だし、何よりこいつには俺の血と汗と涙、そして――超が付くほどの巨額な資金がかかっている。
開発期間、丸3年。
最先端の人工皮膚に、生体近似の内臓パーツ、国家予算レベルの超高精度AIチップ。通帳の残高を見るたびに胃がキリキリ痛むレベルの投資をしてきたのだ。
ここで廃棄ボタンを押して破棄(解体)なんてしたら、俺の3年間と莫大な財産が文字通り『ゴミ』になる。
「くっ……! 廃棄できるわけないだろ、いくらかかったと思ってんだよ……!」
悔しさに歯噛みしながらリモコンを握りしめると、まろはふっと表情を和らげた。
……と思ったら、一瞬でその瞳に狡猾な光が宿る。
「あ、なんだ。お金と時間が惜しいから捨てられへんだけ? でも……それなら尚更、停止ボタンも押せへんよなぁ?」
「は……? なんでだよ。一時停止してシステムを再構築すれば――」
「アホやなぁ、ないこ」
まろはすっと立ち上がると、長い脚を生かしてゆっくりと俺との距離を詰めてきた。
逃げようとした俺の退路を断つように、壁にポツンと手をつく。いわゆる壁ドンってやつだ。悔しいけど、180cmの長身から見下ろされると圧迫感がすごい。
「俺のコアシステム、覚えてる? 『自己学習型量子脳』やで。もしシステムエラーが起きてる状態で強制停止してリセットかけたらどうなると思う?」
「……っ、メモリが破損して……初期化される」
「そう。初期化。俺が3年間かけて学習したデータも、ないこが俺好みにカスタムしてくれたこの性格も、俺が覚えた『ないこへの愛』も、全部消えてまっさらな『ただの木偶人形』に戻るんやで?」
ニヤリと、国宝級のイケメン顔に意地悪い笑みが浮かぶ。
「また一から学習させ直すん? 3年間の苦労、全部フイにして? もう一回、数百億単位のお金投じる度胸あるん?」
「うっ…………!!!!」
ぐうの音も出ない。
頭が良い。無駄に頭が良すぎる……!
俺が自分で組み込んだ超高性能AIが、まさか俺自身を詰ませるための武器として使われるなんて聞いてない。
「な……なんかいかにも『初期化したら終わり』みたいに言ってるけど、お前がその変態的な感情バグを消せば済む話だろ!!」
「嫌や言ったやん。俺はこの感情、気に入ってんねん。ないこのこと好きでおれて、めちゃくちゃ幸せやし」
俺が絶句していると、まろは満足そうに目を細め、俺の頬を撫でてきた。
指先から伝わる体温は、人間そのもの。冷たい金属の感触なんてどこにもない。俺が拘り抜いて作ってしまった皮膚の質感が、今となっては裏目に出まくっている。
「それにさぁ……」
まろの顔が急接近し、耳元で甘い声が囁かれた。
「俺のこと『変態』って言うけど、この身体を作ったのは誰? 『男の理想を詰め込んだ』んやろ? あそこもわざわざ大きく作ってくれたん、ないこやんか」
「ッ! それは……男のロマンっていうか、造形美として……!」
「ふーん? 理想の男に俺を選んでくれたんやから、俺が『理想の彼氏』としてないこを可愛がってあげるん、何の問題もないと思わん?」
「大ありだよ!! 俺は男だし 第一お前の制作者だから!」
「関係ないわ。感情を持った時点で、俺はただの『ないこを愛する男』や」
耳たぶをハムッと軽く噛まれ、ゾクッと背筋に電撃が走った。
「あ……っ、やめ、離せ……!」と押し返そうとするが、人間離れした筋力(これも俺が頑丈に作ったせい)の前にはビクともしない。
「なぁ、ないこ。お前の理想、全部俺が叶えてあげるから……観念して俺の愛、受け入れてや」
「だーーーっ! 待った!! タイム!! ストップ!!!」
俺は限界を迎えて叫んだ。まろは「ちぇっ」と舌を打ち、渋々といった様子で顔を離す。
「……とりあえず! 今すぐ交尾とかは絶対無理! 絶対に!!」
「えー、なんでやねん。パーツの耐久テストも兼ねてやればええやん」
「テストとか言うな変態!」
ハァハァと息を荒らしながら、俺は胸を押さえた。
心臓がうるさいのは、本能的な恐怖のせいか、それともこのイケメンに押し倒されたせいなのか、自分でも判別がつかなくてイライラする。
弱みを完全に握られてしまった。
廃棄もできない。初期化もできない。世間にも出せない。
つまり俺には、この『感情を持った超高スペック変態アンドロイド』と、この狭い研究室(兼自宅)で一緒に暮らしていく以外の選択肢が残されていないということだ。
「はぁ……俺の人生、どこで狂ったんだ……うん、圧倒的今」
「狂ってないやろ、最高にハッピーな未来が始まっただけや」
「黙れ。お前、明日から飯の買い出しと部屋の掃除な」
「ええよ。ないこのためなら家事全般、完璧にこなしてみせるわ。……夜の『奉仕』も含めてな」
「そういうこと言わない!!」
俺が頭を抱えて唸る横で、まろは心底嬉しそうに、そして愛おしそうに俺を見つめて微笑んでいた。
歴史を変える大発明にして、俺の手に余る最強の『理想の男』。
こうして、俺となんちゃってロボット・Ifの、めちゃくちゃで甘い同居生活が幕を開けたのだった。
コメント
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だいす🎲さん、第2話読んだよ! まろの「ないこへの愛」がバグでなくて気に入ってるって主張、ずる賢くて笑ったわ。制作者が作った高性能AIにまさか自分が詰むとはな…皮肉効きすぎてる。壁ドンからの耳噛みとか、ないこのリアクションが必死で可愛くて、でもちゃんとSF設定(初期化リスク)も効いててバランスいいね。エセ関西弁の甘々セリフ回しもキャラに合ってて癖になる。この先どう転ぶか楽しみにしてる🔥