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目を覚ますと背後に
寝息がある
振り返ると ワタシは 銀狐の腕に
抱かれて眠っていた
そっと腕を抜け出し
自分の身体やらシーツ
やらを確認する
部屋着は着ている
ズボンはどこかにいった
けど 下着は履いてる
「あ おはよ」
爽やかに挨拶される
あ 既視感すごい
いつかどこかで見たなコレ
ただし 今回はガッツリ事後
ですけども
「ってかさ
騒がしく実況してたけど
ご近所さんとか 大丈夫?
上に新しい人越してきた
んでしょ?」
「見るな 脱がすな
胸触んなとか 舐めるな
音が嫌だ 動かすな
足開くな とか文句ばっか」
「あ あとゴムが無い とか
オレが持ってない訳
ねぇじゃん」
『知らないよ ヤリチソ界隈
の常識 なんか』
『騒いでたって?
だってオマエ 無理やり
足開いただろ?!
あんなに開く必要ある?
アレってノーマル?正常位って
ヤツ?なんか違うくなかった?』
「正常位のうちだろ別に」
『うちってなんだよ
やっぱ違うん じゃん』
『初めてだっつってんのに
ナニしてくれてんだ
すげー痛かったんですけど』
「オマエがいろいろ拒否って
慣らさせなかったからだろ?」
「オレあんまク×ニとかしない
んだぞ いつもは」
『知らんし! しなくてイイって
言ったじゃん 汚いしヤだよ』
『そうじゃなくて 痛かった
のは 足!逃げるわけじゃなし
あんな掴んで しかも体重かけて
押さえ つけなくても良かったろ?
関節外れるかと思ったわ!』
『あ 跡ついてんじゃん
ほら ココっ!』
足の膝裏辺りに 所どころ
跡がついていた
「バカ そんなん 見せんな」
「どんな格好してると
思ってんだ」
「オマエがスゲぇ力で足閉じて
くるからだろ?だから体勢も
ああなったんだよ」
「オレだって痛かったわ!
腕も筋肉痛だわ」
いや それはスノボで
コケて痛めたヤツじゃないの?
『そんな力入ってた?
そういえば腰から下が
ガクガクする 筋肉痛かぁ コレ
内腿の筋肉なんて普段使わない
もんなぁ』
「…」
『…』
『あ でも まぁ大体わかった
こんなもんか 恐るるに足らず
だったわ』
「いや そんなとこ強がんなよ
ガッチガチに緊張してたくせに
てか こんなもんって失礼な
ちゃんとさせろよ
こんなもんじゃねぇから」
『ヤダ 二度とオマエとは
しない』
「嘘だろ 待った 待った
ゴメンって」
「正直に言うわ オマエが
中途半端に抵抗するから
ちょっと変な方向に興奮した
と いうか変なスイッチ入った」
「次はマジで優しくするから!」
『やだよ 無理やりシチュで
興奮する とか変態!』
「や 無理やりはしねぇのよ
いつもは オレそういうの嫌い
だし?」
『嘘つけ! そうでなくても
なんか 基本 イジワルなんだよ
オマエ』
『キスとかめちゃくちゃ前戯の
ソレだったし!
ファーストキスだったんだぞ!
キスにだけは まだ夢を持って
たのに さぁ』
『あと ヤダって言ってん のに
ワザと音立ててたでしょ?』
「え?キス?高校のときにした
とか 言ってなかったっけ?」
『..それ 未遂
ちょっと盛ったの』
「それは 言ってくれんと
わかんねぇわ」
「音は..その ソレはオレじゃ
ないと 言いますか…」
『え?マジ?』
「マジ」
『うあああ ヤダ!
絶対もうヤダぁ!』
「いやいや 濡れやすいのは
イイことだから ね?」
『ああああ アホかぁ!
そんなん言うな!バカ』
言うほど酷くされた
訳じゃない
実はちゃんと気持ち良かった
さすがに初めてで
イキは しなかったけど
コイツの腕の中 人肌で包まれる
感覚も 素肌が擦れ合う感覚も
揺さぶられるのも
コイツの余裕が段々無くなって
一緒に息が乱れていくのも
気持ちが良かった
「ぎゃーぎゃー文句うるせぇと
思ってたら 喘ぎ声は静かに
噛み殺しててさぁ
ギャップがだいぶ良かったよ」
「なんか クるもんがあった」
「もっと鳴かせてみたい」
『何エロおやじ みたいな事
言ってんだ? バカなのか?』
『喘ぎ声なんてどうやって
出したら いいか分かんなかった
だけだよ』
『物理的に中から腹を押されて
息が漏れ出ただけだよ
喘いでなんか ない!』
「なんかムキになって
エロいこと口走ってるけど?
大丈夫?」
「第2ラウンドに誘ってる?」
『バカ!オマエが全部歪めて
解釈してるだけだ!!』
って あ 違った
ちゃんと言わなきゃ だ
いつもみたいにふざけてる
場合じゃない
『…….』
『…ええっと……….あとさ』
『もう 終わり に しようか』
『もう家に来ちゃダメだよ』
「あ”!?」
「なん っだ!ソレっ!!
突然なに言ってんだ!?」
デカい声出されてビックリした
拍子に涙が出そうになる
ヤバ 泣きたくない
見られたくない
青桜の胸に顔をうずめるように
抱きつく
「おい なんだよ コレ
オレが怖くて泣いてんの ?
だったら オレに抱きつくのは
おかしいだろ」
「どうすりゃいいんだよ..」
「ちゃんと最後までシていいのか
確認したよな? オレ」
青桜の手が背後で困惑している
『違う 泣いてないし
怖いとかじゃないよ』
『青桜が手ぇ出してくるんなら
それを理由にこの関係は
終わりにしようと思ってたから』
『いつか終わりにしなきゃダメだ
と 思ってたし でも今日だとは
思ってなくてさ』
『今日で終わりと思ったら
心の準備ができてなかったって
いうか』
「言えよ そういうことはさぁ
先に..」
「告知なしで いきなり
トラップ発動 ゲームオーバーで
リトライなしとか クソゲー
だと思わない?」
「ヤリ逃げとかさぁ
納得できねぇよ」
「オレだって傷つくよ? 普通に」
『ヤリ逃げって..違うでしょ?』
『アンタ 本命さんがいるん
だから こういうのダメじゃん』
「それはソレ これは コレ」
『わあぁー 最低』
「初めて会った時さぁ
オレみたいな男をバカにしてる
タイプにみえたんだよ
ムカついたから
ちょーっと堕として地獄見せて
やろうかなーとか? 思った
その後 ここでさ
一緒に遊んだ じゃん?
その段階でさ ちげぇわ コレ
口が悪いだけ で いいヤツだって
しかも そういう経験ない?
それか恋愛対象が男じゃない
のかも? って 思ってさ
ちょっと オレが手ぇ出すのは
可哀想かな とかガラにもなく
遠慮しちゃったんだよね
そしたら オマエすげぇ
オレのこと信じちゃっただろ?
親を刷り込まれた雛みたい に
ピヨピヨついてきちゃって
なんか もうこのままで
イイって思ってたんだよ」
『なに それ?』
『じゃあ なんで?』
「なんか 『逃がしてやれ』って
言われたら急に惜しくなった
といいますか
彼氏できたらもう会わないとか
言うしさぁ」
言ったっけ?そんなこと
覚えがない
ま 彼氏ができたら
ダメだろうな オマエみたい
なのは ただの友達って言っても
信じてもらえないタイプだし
現に 喰われたし
「大事に育てたのに 横から
他のに掻っ攫われるとか
嫌じゃん」
いや オマエに育てられた
ことはないが?
「まだ いいんじゃね?
オレと遊んでても
経験値 上げに協力しますよ?」
「 オレはまだ一緒にいたいけど
別に こういうことシなくても
構わないし」
「な?」
青桜の腕に抱かれて
胸に耳をつけて静かに心音を
聞いて いた
この流れるように 出てくる
甘言も 一緒に 耳に流し込まれる
湿った睫毛に
戯れつくような甘噛みするような
優しい口づけが降る
それだけなのに 飛び立つのに
必要な羽根は 的確に毟り取られ
ていった
ワタシのモラル終了のお知らせ
頭のなかにゲシュタルト崩壊の
音がする
倫理 常識 誠 誠実 正義
正しい行い 正しい正しさ
正しさってなんだっけ?
正しい で心は止められますか?
「大丈夫 全部オレの わがまま
オレのせいだから」
「全部オレのせいにしちゃいなよ
トビは悪くないよ」
『極悪狐!』
『どクズ!』
「…すげー 辛辣」