「お母さん!!」
「シャリー!!?」
シャリーはこの時、隣町に出かけておりました。
シャリーが戻ってきた時、私はすでに長い旅に出る覚悟を決めていたところでした。
「どうして、なんで家に火が……!」
「シャリーごめんなさい、もう、この村には居られないわ」
「お母さん!何があったの!?」
私は、全てを話すか悩みました。
村人が、私を魔女として断罪するために家に火を放ったのだと。
その中に、シャリーが愛する祖父母もいるのだと。
だけど、オリバーの優しさを受けついたシャリーがそんな話を聞いてしまえば、どう思ってしまうか……私は怖くなりました。
「シャリー……あなた、隣街に恋人がいるわね」
「えっ……!?」
シャリーは私に隠していたつもりのようでしたので、私の言葉に大層驚いたようでした。
ですが、私には分かっていました。
何故なら、私とオリバーの時と同じ行動を、シャリーもとっていたからです。
こういう1つ1つの細かな部分に、私はオリバーをシャリーの中に感じてしまいます。
私は、シャリーにこう言いました。
「もう、この村には戻れない。今すぐ、その男性の元に嫁ぎなさい」
「え!?」
シャリーは、何か言いたげのようでしたが、時間は待ってはくれません。
私は、無理矢理シャリーを引っ張り、隣街へと逃げました。
シャリーの大事な人との初対面を、こんなことでしたくはありませんでしたが、もう、仕方がありません。
その時が、刻々とせまっておりましたから。
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