タソガレドキ忍軍が全員それぞれの持ち場に戻り、城主の黄昏甚兵衛の部屋に虫1匹居ぬ間…
「赤兎。」
『なんでしょうか。依頼主』
「情報を感謝する。依頼料はしっかり払おう。だから、そんなに態度を硬くするな。」
『はぁ〜マァジで疲れたんだけども〜なに?黒兎隊は暇だけど暇じゃないんだよ??』
黒兎隊のボス、赤兎と黄昏甚兵衛は幼い頃に出会った信頼し合える親友。お互いに冗談やお茶会などを監視or武器なしで出来るほどには仲良し!
「いやそれは暇だろ。」
『いや暇じゃないんだって。僕には数少ない休みを謳歌する為の予定があるんだって』
「いやそれが暇だろうが。黒兎隊はぎゃっぷが強すぎて風邪を引きそうだな…」
『慣れればなんて事ないよ〜で?きょーはどうしたの〜、ん?』
「依頼でないのは分かってるだろう…今回のことで黒兎隊の事が勘づかれる可能性が出ただろう?ならば、タソガレドキ忍軍の数名と黒兎隊で昔儂と赤兎でやった隠れながら捕まえるアレをやらせるのはどうだ??ルールは黒兎隊の者を2人捕まえるとか。」
『”隠れ鬼”ね。なに?それやりたいの?でもうちの緑兎はともかく…僕と黄兎と紺兎は捕まるどころか見つかんないと思うよ。あと…あれ!なんか……あくとだっけ?あの子もね』
「蒼兎だろう…確かに存在感が皆無だが居るのか居ないのかを黒兎隊はわかると言うのに何故名を覚えられないんだ……色にある蒼って知ってるか??」
『蒼は分かるけどなんか名前の2文字目がいつも頭から抜けんだよね。なんでだろう…歳かな?認知症かな??』
「認知症とは?」
『ズバリ、歳をとるごとに記憶力と判断力が低下して天性の阿呆になること』
「認知症のことボロクソに言うでない」
『というか、雑渡昆奈門にどこまで知ってんのか聞かれた時になんで僕が言ったことまんま言っちゃうのよ。なんか恥ずかしいじゃないの』
「?諸泉尊奈門が忍術学園の土井半助に決闘を挑み、それが切っ掛けで土井半助の記憶がなくなった。わァ〜状況的にはマジんかいな〜!ドクタケ忍軍で最強の軍師と呼ばれた天鬼が、記憶を失った土井半助だった。ヤバヤバ〜w天鬼だった土井半助が記憶を取り戻して全てめでたし!!向こうの状況はハッピーハッピー元通りに!そのドサクサに紛れてドクタケ城が手薄になることをキミに知らせにきたよ〜。と、報告したのは赤兎であろうに…」
『言うなら全部を言わなくて良かったァ〜とも思うね。僕、仲良い人にはめんどくさいし面白みなんかない報告とかちょくちょく阿呆っぽくしてるからさ』
「そのおかげでお前からの信頼度は分かるが…面倒な事をできる限り面白くしてやる気を出すようにするというアドバイスを試してくれてありがとうな」
『いやぁ結構これ効果あってさぁ…ありがとネ!僕的には天鬼の事はバットエンドでも良かったんだけどなァ…別に黒兎隊に支障は出ないから楽しんできたし、この依頼をしてくれてありがとう。いい暇つぶしにもなったしお金もくるし最高じゃんか。でも、ね…忍軍の給料数期間少し減らして僕の方に依頼料として渡すのはどうかと思うよ。別にいいけど、ん。』
「こちらこそ。依頼通りの情報提供を…黒兎隊には感謝する。今後もよろしく頼む。 」
『もちろん!』