テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
あなたの温もり
#死ネタ #四季愛され
無陀野sid
「あ!ムダ先〜!」
俺を見つけ、俺の名を呼びながら笑顔で駆け寄ってくる四季。
「どーん!」
四季はこうやって抱きついてくることが多い。最初は驚き交わしてしまっていたが今は受け入れることにした。
「四季。いつも言うがお前は勢いをつけすぎだ。せめて、もう少しスピードを落とせ。」
「だってムダ先ならこの勢いでも受け止めてくれるだろ!」
「初めてのときは交わされた結果勢い余って壁に衝突していたがな」
「ちょ!恥ずいから前のこと掘り返さないで!」
頬を膨らませて怒っているが全く怖くない。いや本気で怒る気はないのだろう。
「てかほんと最近さみぃよなぁ」
「お前は…暖かいな。」
「だろー?人間カイロならぬ鬼カイロ〜!」
そう。四季の体温は高い。炎鬼だからという理由もあるのかもしれないがきっと子ども体温ってやつだろう。
「あぁ。子ども体温ってやつか」
「俺そんなガキじゃねぇんだけど…ま、暖かいならいっか」
この温もりを離したくない。ずっと傍に置きたい。
「…ムダ先!俺さ、いつでもムダ先のカイロになってやるからいつでも呼べよ!」
「どうした急に」
「ん〜いやなんとなく!俺はいつでも暖かくして待ってるからな!」
「…そうか」
──────
「…四季。…いつでも暖めてくれるんじゃなかったのか?」
「 」
あの時の温もりがない。感じられない。起きない。
「お前は約束を破るようなやつじゃないだろ。起きろ…」
「 」
冷たい。
数日前までまだ温もりのあった手。身体。
「また、抱きついてこい…きてくれ…」
数日前まで笑顔だった顔
そう。四季は死んだ。
もう起きない。喋らない。動かない。
「お前は…冷たいな。」
お前の温もりはもう感じられない。
京夜sid
「それでさ〜この前皇后崎がまたバカだって言ってきよ〜」
「あらら〜」
「全くひでぇよな!」
俺は今保健室で四季くんとおしゃべり中だ。ダノッチに見つかったら仕事しろって言われそうだけどまだ見つかっていないのでしばらくサボらせてもらおう。
「そーだ四季くん。」
「ん?なに?」
「京夜センセーは今とっても寒いな〜このままだと凍っちゃいそ〜。あーどこかにカイロはないかなぁー」
少し棒読みでわざとらしい言い方をする。
「チャラ先…そんな遠回しな言い方しなくてもいつでもカイロになるって!」
「ほんと?じゃあカイロなってー!」
そして俺は腕を広げる
「はーい鬼カイロでーす!」
「あーやっぱ四季くん暖かいなぁ」
「だろ!なんか皆からもあったけぇってよく言われる!」
「いやほんと冗談抜きで暖かすぎるよ…」
「炎鬼だからか?」
「それもあるかもしれないけど四季くんが優しいからきっと暖かいんだよ〜」
「えーでもよく手とか冷たい人ほど心はあったけぇって言わないか?」
「それだと四季くんは心が冷たいってなっちゃうよ〜でも四季くんは心も身体も暖かいのでその理論は通じませーん」
「なんだそれw」
そんなおしゃべりをしながら俺は温まってく。
離したくない。この温もりを。
「四季くーん。またカイロなってくれる?」
「おう!いつでもなる!だから呼んでくれよな!」
「ほんとー?じゃあずっと呼んじゃうかも」
「ずっと?!ずっとはあれかもしんねーけどできるだけチャラ先が寒くならないように頑張る!」
「そっか〜ありがとう。」
この温もりをずっと感じていたい。
────
なのに
「…すっかり冷たくなっちゃったね」
「 」
君から体温が消え失せてしまった
「それにもう暖かくなる季節になっちゃったよ。」
君の声が聞けない。
「…ねぇ四季くん。君は幸せだった?」
目がぼやける。涙が出てくる。
「ねぇ…四季くん。もし来世があるならさ、また温めにきてよね」
君の温もりはもう感じられない
真澄sid
「まっすみたいちょー!!」
またうるせぇガキが来やがった。一ノ瀬は俺の肩に身体を預ける
「おもい。さっさと退けろ」
「酷ーい!そんなこと言わなくたっていいじゃん!」
「邪魔だ。あとうるせぇ。」
「まぁまぁ、最近寒いだろ?だから俺が真澄隊長のカイロになってやるよ!」
「カイロ?そんなもんいらねぇよ。てかいい加減退けやがれ。殴られてぇか?」
「ちぇ…わかったよ…」
一ノ瀬の顔がうるせぇぐらいに落ち込む
「そんなうるさい顔すんな。」
「だって…」
めんどくさいガキだ。どうなってんだ無陀野の指導は。
「はぁ…隣座れ…」
「いいの?!やったー!」
少し左にズレ一ノ瀬が右側に座った。そして…
「近いんだよ。ちょっとは離れろ」
「これぐらいはいいじゃーん」
すぐ隣に居るため一ノ瀬の体温が伝わってくる。
「…お前あったけぇな」
「だろー?だから言ったじゃんカイロだって!」
「ガキだから体温高ぇのか」
「俺そんなガキじゃねぇんだけど」
「ガキだろ」
「酷っ…てか真澄隊長の体冷たいな」
「知るか」
「てか真澄隊長知ってる?体が冷たい人は心が暖かいんだって」
「だったらお前は心が冷てぇって事か」
苦笑混じりにそんなことを言ってみる。
まぁこいつの場合は心も熱いだろ
「だよな〜俺ってそんな心冷たいって感じじゃねぇと思うんだけど…」
「ま、その噂は嘘ってことだな」
「ん〜でも真澄隊長の場合は合ってると思うんけどなぁ」
「は?」
いきなりそんな事を言われ思わず本心からの驚きが出てきた
「だって真澄隊長言動はあれかもしんねぇけど根は優しいじゃん」
「…そんなことねぇよ」
「ま、体温関係なく真澄隊長の心は暖かいってことで!」
「戯言言ってねぇでそろそろ戻りやがれ」
「あ、確かにそろそろ集合時間だ!やべ遅れたらムダ先に説教される!」
「おうおうさっさと戻れ戻れ」
「はいはい…」
そうして一ノ瀬は席を立ち扉の前に移動する
「…真澄隊長!またカイロになってやるからな!」
「何言ってやがる…まぁそう言うんだったら遠慮なく踏みづけてやるよ」
「え、俺そんなこと言ってねぇんだけど!」
「お前説教されてぇのか?」
「あ!ほんとにやべ!じゃーな真澄隊長ー!」
やっとうるさいやつが居なくなった。
…確かに暖かったな。また少しぐらいはいいだろう。
────
「ばーか。ガキが…お前が冷たくなってどうすんだよ」
すっかり冷たくなった手を俺は握る
「…俺はカイロになれねぇぞ」
もうこいつは起きない。
「これだから…嫌なんだよ…」
優しいやつから死んでいく。
「…冷てぇな」
一ノ瀬の温もりはもう感じられない
あとがき
今回は同期組で書いてみました。気が向けば後輩同期組や同級生組もかきます。
…なんか死ネタばっか書いてますがネタも書こうと思えば書けるのですがキャラ崩壊しそうで怖いですね。
てことでさよなら