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あぁ…どうして…

どうして…終わりはこんなにも…早く来るのだろう。

もっと…もっと…あの人と居られたら…

どんなに良いだろう…

あの夏私はあの人に恋をした。

彼を見るたび、舞い上がってしまいそうだった。

彼の顔を、声を、仕草を…全部全部……

大好きだった。

だからこそ彼を想うたび…とても…とても

苦しくて…胸が痛くて…息が詰まるようで…

辛かった。

いずれ終わりが来ると

その終わりはすぐだと…

分かっていたはずなのに…!

離れたくない…死にたくない…ココに居たい!

でもそれはもう叶わないだろう

虚ろな目で家族を見る

家族は泣いている。私の手を握って…

私はそんな家族の手を握り返した…

家族は驚いてこちらを見つめる

家族が悲しまないように…私はふっと微笑んだ。泣きながら…笑った。

家族は…母は私の手を握る力を強めた。

ガラス越しに見える太陽は、涙で滲んだ。

隣の花は綺麗に咲いている。

あの人宛に書いた手紙。

それは母が渡してくれると…約束だと…言ってくれた。

どんどん意識が薄れて…眠くなってくる。

母はそれに気が付いて

泣いて微笑みながら言った

「いってらっしゃい…」

私は最後の力で

「いって…きま…す…」

そして私は眠りについた

最後に母の顔が見れてよかった。

あの人に手紙を書けて良かった

でも…1つ後悔があるとするならば…

あの人に会いたかった。せめて最後にさよならを伝えたかった。想いを伝えられなくとも…

これは、私がまだ元気だった頃、そしてあの人に恋をした…その時の話だ。

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