どうもーへびまるですー
いつもよりだいぶ遅くなってしまいましたね
日付は変わっていないのでまだ全然大丈夫ですけど。
さて、
メンケアシリーズ第2弾、
今回はthe・王道、みたいな感じです。
しらんけど。
リクエストなのに責任感が足りぬと思いますぞ。
(すみません)
まぁ
それでは、どうぞ!
_____
プルル、プルル、ツーツーツー。
なんとなく声が聞きたくてヴァンさんに電話をかけたのに何故か切られてしまった。
いつもならすぐに出てくれるのに、おかしい。
大型とかもやっていないのは確認済みで、忙しい訳ではないはずだ。
理由を考える。
……危険な目に遭ってるか、あるいは携帯を盗られたか、
はたまた、
「病んでる、か」
十中八九、ヴァンさんはメンタルをやられたのだろう。
彼ほどの強者が危険な目に遭ったり携帯を盗まれるなどということが起こりうるわけもない、私はそう結論づけた。
念の為に、もう一度かけ直してみる。
『おかけになった電話番号は…
電源切ってるし。
こうなると取れる手段はただ一つ。
「会いに行きますからね、ヴァンさん」
ーーーーー
手始めにMOZUのアジトへ向かう。
アジトとは言え沢山あるから、いくつか回らなければ。
「えっ…とぉ、いま、ボスはお取り込み中でして……」
ビンゴ。
一発目から当たりを引くとは、今日はなかなか運がいい。
「ヴァンさんを出せ」
「ですから、今は誰にも会わないとのことで」
だと思ったよ、全く。
「ふむ、」
このままでは突き返されてしまうな。
意味深な様子を装い、懐に手を入れる。
「私だって、無闇に物騒なことはしたくないが……」
たちまち慌て始めた堕夜は建物の奥へとすっ飛んでいった。
ドアが開けっぱなしだったので入っても良いという解釈をし、遠慮なく足を踏み入れる。
不法侵入?…開けておく方が悪い。
というか私、犯罪者なんだから、犯罪なんて日常茶飯事だし。
走り去る堕夜の後をつけ、こっそりと背後から覗き見る。
「ボス、ボス…すみません」
中からの返事は、ここからでは聞こえない。
「あの、ウェスカーさんが………えっ鍵?…そういや、」
「ゔぁんさーん、会いに来ましたよ♡」
驚いて声にならない悲鳴をあげる堕夜の奥に、布団に包まったヴァンさんが見えた。
「だから言ったじゃないか……」
「えっ……と、す、すみませんでしたっ!」
「お邪魔しま〜す」
「してますの間違いだろ」
ずかずかとヴァンさんの部屋に踏み入る。
きちんと整理整頓された美しい部屋に関しては、やはり流石だと思う。
しかしヴァンさんの精神のセルフケアはいただけないな。
私が何とかせねば。
ちゃんと食べていないからか、やけに軽いヴァンさんを抱き上げる。
「よし」
「何もよくないが」
「確かに。もっと食べてください」
「いや部下の前で姫抱きするのを、やめてもらえますか」
「それは無理っすね」
唖然としながらも一連の成り行きを見守る堕夜。
その横を通ってMOZUアジトを出た。
ヴァンさんは、口ではやめて欲しそうにしているが、私の首に手を回してしがみついてくる。
いっつも“わし可愛くないし”とか言うけどさ、
こういうとこなんだって、ヴァンさん。
ツンデレ可愛い。
ヴァンさんを助手席に優しく降ろし、私も運転席に座った。
「どこに、行くんだ?」
「さぁ」
こうは言ったが、行き先はもう決まっている。
森だ。
マイナスイオンをたっぷり浴びてリフレッシュしてもらう作戦である。
アクセルを勢いよく踏み込んだ。
ーーーーー
「着いたよ」
「あぁ、ありがとう」
窓を全開にして外の空気を入れる。
誰もいない森はしんと静まり返っており、爽やかな風だけが通り過ぎていく。
「ほら、思いっきり甘えな?ここには誰もいないからさ」
少しだけ躊躇したあと、助手席に座ったまま私の肩に抱きつくヴァンさん。
「うぇすぅ〜」
思ったより、なんだか、ふにゃふにゃしている。
いつものヴァンさんからは考えられない。
それだけメンタルをやられていたのかと思うと同時に、頼られていることへの優越感が込みあげた。
「ヴァンさ〜ん、ボスがそんなんでいいんですかぁ?」
「……いいんだよ。誰もいねぇし」
「んふふ、何して欲しい?」
ヴァンさんは私の耳に顔を寄せて、
「ウェスの好きなようにしていーよ」
思わず肌が粟立った。
今日は平和に過ごせるかと思ったら、これだ。
ほんっとにその艶っぽいセリフとか動作やめて欲しい。
本人は無自覚なのが、さらにタチが悪い。
そんなこと言われたらアンナコトやコンナコト……
いやいや、今日はヴァンさんを癒すんだから。
自制、自制。
「じゃあ私の膝乗って」
「ん、」
ヴァンさんはと言えば、背筋を伸ばそうとして頭をクルマの天井にぶつけ、首をすくめている。
広めの車内とはいえ、大男が2人で密着しているのだから当然と言えば当然だが。
なんなら足もかなり窮屈そう。
何気に姿勢いいよなぁ、この人、なんて今更ながら思う。
力強く立っている姿が好きだ。
今はやや猫背気味のヴァンさんを抱き寄せる。
ヴァンさんがいつも付けている香水の、いい匂いがふわりと鼻腔を刺激した。
「ヴァンさん」
「なに?」
「ヴァンさんはよく頑張ってるよ」
「ふん、子供じゃあるまいし」
「はぁ〜?せっかく私が褒めてやってるんだから素直に受け取りな?」
「やだ」
「なんでだよ。そういうとこが子供なんだってば」
「わしはな、そういう褒め言葉みたいなセリフは求めてない」
「じゃー何を言われてぇんだよ」
「うーん…」
ヴァンさんは私の背中に手を回して肩に顎を乗せる。
考えるような素振りを見せたまま、やがて呼吸が落ち着いて、一定になって……
「寝たぁ?」
あー、ウン。
わかるよ?(某ピエロ感)
眠かったんだね。
確かに、疲れてたもんね。
「でも会話中よ?ヴァンさん」
「……んぅ」
「いや耳元の超低音寝言、えぐぅい」
もう少し話していたかったが、それは私の我儘なのかもしれない。
寝かしてやるか。
どうせ暫くは動くつもりもなかったんだし。
話す相手もいなくなってしまい、暇なので出会ってからのヴァンさんの様子を反芻する。
うーんやっぱり、
「好きだなぁ」
コメント
4件
めっちゃ好き💕 こーゆーのめっちゃまじ大好きです!! wesさんに安心して寝ちゃうvanさんとか可愛すぎです!(*´艸`*) ぺしょvanさん、最高です!!