「僕は、若井のこと……
ずっと見てきたから、わかるよ。」
side wki
「……っ……ありがとう、涼ちゃん……。」
涼ちゃんの柔らかな声に救われる思いだった。
その時、スタッフが機材を運びながらこちらをちらりと見るのを感じ、
恥ずかしさと申し訳なさで俯く。
「わかい、ここだと目立っちゃうし……
ちょっと移動しよう。」
涼ちゃんは、そう言うと、俺の腕を取った。
そのまま腰にそっと手を回し、軽く引き寄せるように立たせてくれる。
「っ……。」
涼ちゃんの手の温かさと近づいた顔が綺麗で、
思わず息を呑んだ。
ふわりと漂う柔らかな香り――
石鹸のような、花のような、
清潔感のある香りが俺を包み込む。
「大丈夫?立てる?」
「う、うん……。」
俺が小さく頷くと、涼ちゃんは安心させるように微笑み、
腰を支えたまま歩き出す。
廊下を進むと涼ちゃんはマネージャーに小声で呼びかけた。
「マネージャーごめんね、若井のこと送ってもらえる?」
「あ、了解です。あれ、なんか体調悪いですか?
車、用意してくるので、少々お待ちください。」
マネージャーが去った後、
涼ちゃんは、俺に向き直り、優しい声で言う。
「若井、今日は僕の家に来ない?」
「……え?」
「僕ん家なら誰にも邪魔されないで、思い切り泣けるし、
ゆっくり休めるよ。ほら、変な夢も見るんでしょ?
一緒に寝ようよ。
……隣に人がいると、違うかも。」
涼ちゃんの言葉に、俺は元貴の顔がよぎる。
一緒に寝る・・・・。
涼ちゃんが完全な善意で言ってくれているのは
分かっている。
このことを知ったら元貴はどう思うのだろうか。
でも、付き合ってるわけじゃないし・・・・
少し悩んだ後、俺はこくんと頷いた。
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コメント
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繋がった!三角関係…?みたいのっていいです!
りょーちゃんがいい人すぎるよッ!! 二人には頑張ってほしいし、応援してるけど、、、りょーちゃんを応援したくなるほど、良い物語すぎるなんだこれ ……😭
りょーちゃんは報われてほしいなぁ、、🥺