何でも許せる方のみお進み下さい。
ゾムside
俺が想像していたより、トンは強かった。
最初に少々なめていたせいか、そこを一気に畳み掛けてきたので体力の消化が激しい。
「ぐっ…!」
「ゾムさん…。疲れてきとるんとちゃいます?」
そういい、トンはにやり、と笑う。
「全然!まだまだやれるわっ‼︎」
そう言いながら俺は爆弾を懐から取り出す。
手で包み込めるくらいのサイズだが、威力は大きい。
当たりどころが悪ければ死ぬだろう。
「‼︎」
トンが警戒したように剣を構える。攻防ってわけか。
俺は爆弾をトンに向かってぶん投げる。
爆弾はトンから少し離れた足元に着弾し、
爆破する。物凄い煙で前が見えなくなる。
「どこ狙ってるんや?」
というトンの笑い声と共に、俺に切り掛かってくる。
それを俺はナイフで受け止める。
「はっ!ゾムは今疲れてるんやから力量では俺が勝っー」
そう言いながら剣に彼が力を入れた時、トンは体勢を崩した。
正確には、地面にはまった、と言った方が早いだろうか。
「んなっ⁉︎」
「ククク…w」
俺が爆弾を投げたのは、トンに当てる為ではない。
゛足場を崩す為 ゛である。
トンが持っている剣のサイズは、子供二人分は余裕である重さの剣だ。
そんなに重いものを持っているには
筋力も必要だが、それを支える足場がいる。
だから、あえて足場を崩す事により、
トンを一気に不利な状況に追いやった、ってとこや。
「ゾムお前…⁉︎」
「勝ちは貰うぜぇ‼︎」
そう言って、トンが持っていた剣を打ち落とす。
よっしゃ!後は気絶させるだけー
俺はトンに襲いかかる。
「油断は禁物やで…?」
すると、トンは地面に手をつき、勢いに任せて俺に回し蹴りを入れる
「うぐっ…⁉︎」
何だこれ…。体が…。うごかねぇ…。
何だか意識も遠のいてきたとき、
トンが俺に近づいてきた。
「…悪いなゾム。俺の勝ちってことでっ⁉︎」
残っていた気力で手を伸ばし、
トンの腕を引っ張る。
俺に十分引き寄せると、フードの中に入れていた手榴弾のピンを抜く。
「おいゾム…。お前まさかっ…⁉︎」
何かを察したように顔を青くするトンに俺は黒い笑顔で返す。
「どうせ負けるなら…。」
「お前も…。道連れじゃあーー‼︎」
耳を劈くような爆発音と共に、俺の意識は途切れた。
回覧ありがとうございました。
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コメント
8件
神過ぎて神すぎるわ(?)