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『』ru
BL
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薄暗いキッチンで、赤城は冷蔵庫の前に立ったまま固まっていた。
夜中に喉が渇いて起きてきただけなのに、リビングの灯りがついていて、そこに小柳がいることに気づいたからだ。
『…まだ起きてたのか』
低い声に振り向くと、ソファにもたれていた小柳と目が合う。
眠そうな目をしているくせに、どこか意地悪そうな笑みを浮かべている。
「……水、飲みにきただけ」
赤城はコップを取り出し、水を注いだ。やけに静かな夜で、水の流れる音だけが響く。
『……』
その視線を、赤城はずっと感じていた。
飲み干したあとも、小柳の視線が離れない。
「……なに」
『甘い匂いする』
「は?」
赤城が眉をひそめると、小柳は立ち上がってゆっくり近づいてくる。
逃げる理由もないのに、赤城は無意識に後ずさった。背中がキッチン台に当たって止まる。
『さっき、アイス食べただろ』
「……うん」
小柳の指が、赤城の顎に触れる。逃げられない距離。
『どんな味だった?』
からかうような問いかけに、赤城は目を逸らす。
「…自分で食べればいいじゃん」
「まだ残ってるよ、ほら……」
そう言った瞬間、小柳の目が少し細くなった。
次の瞬間、唇が重なる。
不意打ちで、息を呑む間もなかった。
キスは深くなく、ただ触れただけのはずなのに、小柳はすぐに離れない。
唇が離れる寸前で、赤城の口の中に残っていた甘い感覚を探るように、もう一度そっと触れる。
「……ほんとだ。甘い」
赤城の顔が一気に熱くなる。
「な、にそれ……っ/」
小柳は赤城の顎を軽く上げ、今度はゆっくりと、もう一度唇を合わせる。
今度は少し長く、息が混ざるくらいに。
そのまま、小柳は唇を離さずに、小さく囁く。
「ちょうだい」
意味が分かった瞬間、赤城の喉が鳴る。
「ん、…/」
キスのまま、赤城はさっき飲んだ水を少し口に含んだ。ほんのわずか。
小柳の手が赤城の頬に添えられる。
逃げられないように、優しく固定されている。
「は、ッ……/」
そして唇を合わせたまま、小柳はそれを受け取る。
ほんの一瞬のことなのに、時間が止まったみたいに長く感じる。
唇が離れたとき、赤城は息が上がっていた。
小柳は満足そうに微笑む。
『美味かった』
「……ばか、/」
赤城は顔を隠すように俯くけれど、小柳の腕はそのまま赤城を囲んだまま離れない。
静かな夜のキッチンで、二人の距離だけがやけに近かった。
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