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月が高く昇った夜、廃墟となった高層ビルから街を眺めている集団がいた。
全員真っ白な軍服らしきものを着ており、先頭の男を中心に扇状に十数名が連なっている。
「隊長」
マントを身に着けた人物に、一人の男が声をかけた。
よく見ると、先頭の隊長と呼ばれた男以外はマントがない事がわかる。
「帝都の東域、中流々(なかるがるが)で悪魔(デビル)が発生。死者、怪我人共に多数出ております」
「そうか」と、隊長は答えると、月の光に照らされた顔をはるか彼方へ向けた。
「あいつが…また」
その顔は、怒りに満ちていた。
「隊長…」
別の隊員が心配そうに声をかける。
「大丈夫だ」、と答える代わりに、彼は剣を引き抜いた。
剣は鈍く輝き、長年にわたり鍛えられたことが分かる。
「俺は絶対、アイツを、…アスモデウスを、断罪する。…天使宮大天使第三部隊、このラファエルに続け!!」
「「「はい!!!」」」
鳥が、一斉に羽ばたいた。