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◇◇◇◇◇


次の日の朝、リオたちは王都への帰路に立とうとしていた。


一晩経って、リオの様子も安定したようだ。

顔もなんとなく大人のそれに変わったような気がする。


リンドウ:「リオ。もう大丈夫そうね。」


リオ:「うん、もう大丈夫。

心配かけてごめんね。」


リンドウ:「いいのよ。成長したんだから。」


リオたちはゼータとサランの乗って王都に向かった。行きと同じで半日もすれば王都に着くだろう。

ゼータとサランもエサをたっぷりと食べたので元気いっぱい。もっと早く着くかもしれない。


リオ:「よし!ゼータ!サラン!

王都までよろしくお願いします!」


リオも元気いっぱい。

吹っ切れたみたいです。



◇◇◇◇◇



ところ変わって、ヘルサイズ拠点付近にて。


ゼビウスの拠点殲滅を逃れたレキが、拠点付近で野営をして夜を明かしていた。


昨日は危なかったな。

ちょっと出るのが遅れたら、俺もやられてたかもしれないな。

たぶん、ハンターズの襲撃にあったに違いない。

こんなところまで来るなんて想定外だったな。

けど、運も実力のうちだ。

この先、ノープランだったけど、本部に直接戻ってこのことを報告しよう。

うまく戻る口実ができたよ。オーケー。


それと。念の為にここを出る前に、魔物を置いていくかぁ。追っ手が来ると厄介だからな。

念には念を入れて時間稼ぎだ。



レキは手持ちの召喚石をいくらか割って魔物を召喚していった。


そして、最後の6つ目を割ったときに、普段とは違う、見た目がほぼ人間で翼が生えた魔物が現れた。


その姿は妖艶な女性で、黒を基調としたボンテージ風の出立ちに黒い翼で宙に浮いていた。



レキ:「え?何?」


マリス:「何はないでしょう?

自分で召喚したくせに。」


レキ:「え?なぜ、魔物が喋れるんだよ?」


マリス:「私は魔人だもの。

その辺の魔物と一緒にしないでちょうだい。」


レキ:「魔人?召喚石って魔人も出るのか?」


マリス:「そうよ。今までもAランクの魔物は出たことあるでしょ?私はその上位ってことよ。

強いていうならば、Sランクってところかしらね。」


レキ:「ちょ、ちょっと待って!お前は俺を殺すのか?」


マリス:「いいえ、あなたは私の主。

殺せと命令されない限りは殺さないわよ。」



レキが13歳のときに授かったスキルは『召喚石クリエイト』。

このスキルも、リオの『マイ・ガチャ』と同様に世界に一つの激レアユニークスキルである。

自分の魔法力を消費し続けて、ある一定の期間が経つと召喚石をストックできるというチートスキルであった。

その生成された召喚石を割ると魔物が現れる。召喚される魔物はDランク以上でランクはランダム。

これもまたガチャのように運次第。


今回は運良く超激レアの魔人を引き当てたというわけである。


しかも、このスキルが優秀なのは、召喚した魔物は基本使い捨てになるのだが、その魔物が生きてるうちに討伐した魔物や、人間を殺した際の経験値は、全てレキに反映されるというチート付きで、レキも通常よりも早くレベルアップしていっている。


レキ:「そっか。俺が主人か。なるほど。

これは想定外だけど、超ラッキーだったな。

ところで、お前に名前はあるのか?」

マリス:「私の名はマリス。マリス・オズボーンよ。

魔界では貴族だったわ。」


レキ:「そっか。マリスだな。わかった。

お前って強いのか?」


マリス:「当たり前でしょ。

今のあなたの10倍は強いわね。」


レキ:「よし。運が向いて来た!

俺はレキだ。レキ・グランベル。

ここから早々に立ち去りたいんだ。

今から俺の所属しているヘルサイズの本部に向かうから一緒に来てくれ。

話はその道中で。」


マリス:「わかったわ。レキ。行きましょう。」


レキは、マリス以外の召喚した5体の魔物に拠点の付近にいるよう指示した。

近づくものは本能的に殺してしまうだろう。

召喚石を使って出した魔物は、Bランク以下であれば、召喚したものの指示に従う。

あくまで、自我のない魔物なので簡単な指示のみだが……。


レキは、拠点から拝借した騎獣にまたがり、マリスも翼を消して同乗し、ヘルサイズ本部のある北に向かって旅立って行った。


大陸縦断の長旅になりそうだ。



◇◇◇◇◇



昼過ぎになって、リオたちは王都へ帰還していた。まずは、昨日あった出来事を報告するために、冒険者ギルド王都支部に立ち寄った。


ギルドの受付で事情を話し、支部長室にてグレコさんと話していた。


グレコ:「ふむふむ。なるほど。」


グレコはリオが持ってきた飛剣のアズワドの首を確認している。


グレコ:「しかし、危なかったわね。

よく幹部に勝てたわね。大したもんだわ。」


リオ:「はい。やったのはリンドウですけどね。」


バタン!


ゼビウスさんが入ってきた。


ゼビウス:「おう!グレコ!久しぶりだな。」


グレコ:「ああ。ゼビウス。よく来たわね。

本部から連絡もらってるわよ。

ちょうどいいわ。紹介するわね。」


ゼビウス:「あ!こいつらなら昨日会ってるから大丈夫だ。それにしてもお前ら速すぎない?

こっちは夜な夜な騎獣で突っ走ってやっと着いたってのによ。お陰で寝不足だぞ。」


リオ:「あ。そうなんですね。

ここにいるゼータとサランに乗せてもらって走ってきたんで、ものすごい速いんです。

それでも半日かかりましたけど。」


ゼビウス:「あ!こいつらちっちゃくなってるな。

どういう仕組みなんだ?かわいいな。

ま、いっか。

ちゃんと首持ってきてるな。よし。


おい!グレコ!そこの通信機借りるぞ。

今から本部の総帥に連絡入れる。

お前らも当事者だし一緒に聞いておいてくれ。」


グレコ:「ゼビウスは相変わらず、せわしないわねぇ。

総帥との連絡を聞いてもいいの?」


ゼビウス:「ああ、いいぞ。

お前たちが特別扱いしてるだけだ。」


リオ:「本部ってハンターズのですか?」


ゼビウス:「おう、そうよ。俺は本部管轄だからな。

報告しなきゃいけないんだよな。」


やっぱり、Sランクハンターってすごいんだなぁ。ハンターズ本部って謎に包まれてるって聞いたことがあるんだけど……。


冒険者ギルド支部長室にある魔道具である通信機を使って、ゼビウスと謎のハンターズ本部との通信が始まった。


◇◇◇◇◇


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