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日帝side
今日は久しぶりに先輩とイタ王が俺の家に会いに来るらしい。
もう80年も会っていない。会いたかったが俺達は戦争を起こした張本人。会うことを禁じられていた。
それが最近になって禁止命令が消されたのだ。
俺はいつもの和服に着替えて準備をする。
猫耳を隠す為、帽子を被る。
別にもう枢軸には猫耳が有る事はバレているのだが、見られるのは恥ずかしい。
戦後は外出時に刀を持ち歩かなくなった。
まぁそれが当然なのだが…
勿論今日も刀は持って行かない。
戦時中の国とはいえ、もう枢軸以外の他国も信用できる様になった。
日本「あ、もう準備出来たんですね」
にゃぽん「じゃあ少し早いけど」
にゃぽん「私達買い物行ってくるねー」
海「じゃあ俺達も自衛隊のとこ行って来る」
空「じゃあねー」
日帝「嗚呼、分かった。ありがとう」
80年ぶりの元同盟国との再会に気を遣い、日本達は少しの間家を出てくれるらしい。
海と空も自衛隊の視察をするらしい。
海と空も大日本帝国なのだが枢軸の二人とはほぼ無関係だったから会わないそうだ。
イタ王「日帝ー来たんよー!」
80年前から変わらないイタ王の声に少し安心する。
日帝「今行く!」
戸口にいるイタ王達に聞こえる様、少し大きな声で言った。
ガラガラと音を立て戸口を開ける。
ナチス「久しいな、日帝」
80年前と何も変わらないイタ王と先輩が立っていた。
声も、表情も、軍服までもあの時から変わっていない。
日帝「お久しぶりです先輩」
イタ王「久しぶりなんねー日帝ー」ギュッ
日帝「うわっ」
高身長なイタ王の急な抱擁にバランスを崩してしまう。
日帝「…そろそろ離してくれイタ王」
かれこれ10分ほど抱擁されながら立ち話をしている。
ずっと抱擁されると結構苦しいものだ。
イタ王「あ、ごめんなんね」
ナチス「そういえば日帝は和服だよな」
ナチス「もう軍服は着ないのか?」
日帝「はい」
日帝「平和主義になりましたから」
ナチス「…そうか」
日帝「先輩達こそ軍服とか変わらないんですね」
イタ王「もうこの服に慣れちゃったんね」
日帝「そうなのか」
日帝「そろそろ中に入ったらどうだ?」
ナチス「そうだな」
イタ王「お邪魔しますなんねー!!」
ナチス「日帝は家の中でも帽子を被るのか?」
日帝「猫耳を見られるのはまだ慣れなくて、恥ずかしいんです」
ナチス「可愛いし、良いと思うがな」
日帝「恥ずかしいものは恥ずかしいです」
イタ王「日帝ー猫耳撫でさせてなんねー」
日帝「はぁ!?今の話を聞いてたか!?」
イタ王「聞いてたけど日帝の猫耳触りたいんね」
日帝「やめろっ」
ナチス「俺にも触らせろ」
日帝「先輩!?止めて下さい!」
イタ王「〜♪」
イタ王「日帝可愛いんね」
ナチス「だな」
日帝「可愛くない」ムスッ
抵抗はしたが、素手でイタ王と先輩に勝てる筈が無い。
今はイタ王と先輩に凄く猫耳を触られている。
イタ王「あ、そういえば日帝」
日帝「なんだ?」
真剣な話なのだろうか。
二人が猫耳を触るのをやめた。
イタ王「日帝はさ、戦争する気ない?」
日帝「は?…」
血の気が引いた。
何を言っているのか分からない。
日帝「そんなの…有るわけないだろ…?」
ナチス「また同盟を結んで戦おう、日帝」
日帝「自分が何と言っているのか分かっているのか?ナチス」
怒りを露わにしながら、冷静に言った。
俺はもう、誰かの平和を壊すなんて馬鹿な事は絶対にしない。
日帝「もう世界は平和になったんだ」
日帝「それを壊す必要など無いだろう」
ナチス「…」
イタ王「そっ…かぁ…」
イタ王「これは最初から教え直しだねナチ」
ナチス「そうだな」
二人が不気味に笑う。こちらを見て。
怖い。
ナチス「日帝、こっちに来い」
日帝「…」
ナチス「命令だ。来い」
日帝「…嫌だ」
思わず後退りする。
ナチス「…そうか」
ナチス「本当に残念だ」
そう言って、ナチスが俺に近づく。
イタ王はとても楽しそうにこちらを見ていた。
焦りで考えることが出来ない。
怖い。怖い。
いつもの二人と違う。
こんな事になるなら刀を持って来れば良かったと今更後悔する。
俺が出来る唯一の抵抗として後退る。
ガタッ
日帝「ぁッ…」
最悪だ。壁にぶつかった。
正面を向くと、狂気的な笑みを浮かべたナチスと目が合った。
ナチス「…可愛がってやるからな?日帝♡」
そう言ってナチスは俺の首を絞める。
痛い。苦しい。息ができない。
恐怖と焦りで頭がいっぱいになる。
何も考えられない。分からない。
怖い。
日帝「助けて」ガタガタ
今出る精一杯の声を絞り出して言った。
僅かな希望に賭けてイタ王に助けを求めた。
出たのはとても弱々しく、恐怖で震えた声だった。
イタ王「可愛い♡」
分かっていた。助けてくれない事なんて。
絶望という二文字が頭の中を支配する。
恐怖するのでさえも二人の加虐心を煽るだけなのだとようやく理解した。
ナチス「♡」
苦しい。苦しい。
此奴等は狂っている。
俺が苦しむ姿を見る為、わざと首を絞める手を緩めているのだ。
それでも酸素が足りない。
意識が朦朧とする。
考えられない。考えるのが面倒になる。
ナチス「はは…♡」
ナチス「大好きだぞ?日帝♡」
イタ王「大好きなんね♡日帝♡」
二人のその言葉を最後に意識が暗転した。
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