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俺が居た街は歪んだ街だった。
人を殺し、臓器を売り、金にする。
そんな事が日常茶飯事だった。
行方不明になれば死んだ扱いされる。
そんな街を離れたある日1つの手紙が届いた。
「なんやこれ。」
封を開け、手紙を読んだ。
その時背筋が凍った。
「は……?」
そこには、俺の幼馴染だったライが行方不明になったと書いてあった。
いや…ちょっと待ってくれよ。
アイツが?アイツが行方不明???
ありえん……。そんな……なにかのイタズラに決まっとる。
そう自分に言い聞かせ、その日は眠りについた。
朝起きたが寝た気がせんかった。
どうも頭がスッキリしない。
でもだって……あれはイタズラだ。
ライが行方不明なんてそんなことはないはず。
だってあの時……高校なったらこの街から出ていこうって…約束したはずやし……。
でも行方不明になった。てことは……まだあの街に残っていた。という事になる。
約束を破られた苛立ちより、心配と不安が勝つ。
どうしてライはあそこに残ったのか。
どうしてライが標的になったのか。
真相は深まるばかりで答えに辿り着けない。俺はあそこに戻るつもりはなかった。気味が悪く、居心地が悪いから。だけれど…行方不明になったのなら。
この手で見つけ出さなければ。そう思い、あの町へ行く準備を始めた__。