テラーノベル
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「……おい、ちょっと待て。私はいま、非常に恐ろしいことに気づいてしまったんだが」
リビングの片隅で、ナチスの全身に包帯を巻き終えたドイツが、ふと真顔になって呟いた。その視線は、日帝の欠損した左手の薬指へと注がれている。
「……日帝の指を、ナチスが『噛み千切った』と言いましたよね? 人間の、いや国(概念)の肉体とはいえ、人間の指の骨や関節を、口の力だけで綺麗に噛み千切るなんて普通はできないはずですが……。ナチス、お前一体どうやって……?」ドイツの極めて真っ当な疑問に、リビングの全員がハッとしてナチスを見た。旧国たちも概念とはいえ、その肉体の強度は人間並みかそれ以上のはずだ。それを生身の歯で噛み千切るなど、狂気の沙汰である。すると、ナチスはめんどくさそうに「チッ」と舌打ちをし、自らの唇を指でグッと押し上げた。
「……これのせいだ。一々騒ぎ立てるな」ナチスが剥き出しにしたその口元を見て、現国たちは「うわっ!?」と一斉にのけぞった。なんと、ナチスの口内に並ぶ全ての歯が、まるで肉食獣かサメのように綺麗に尖ったギザギザの形をしていたのだ。
「うわあああ! 黒歴史の歯がギザギザのクリーチャーになってるアル!!」中国が本気で引いた声を上げる。
「フン、私は生まれつきこうなのだ。敵の息の根を止めるためにも、軍を統率するためにも、この牙は非常に役に立つ。日帝の指など、少し力を込めて 噛(か) むだけで容易く 圧(へ) し折れたぞ」
ナチスが凶悪な笑みを浮かべてギザギザの歯をカチカチと鳴らす。その様子を見ていた日帝は、当時のことを思い出してしみじみと頷いた。
「うむ。ナチス先輩に急に組み伏せられて、指を口に放り込まれて噛み千切られたときは、ガチでビックリしたぞ。『えっ、先輩、何をしておられるのですか!?』と、流石の私も声が出た」
「お父様、ガチでビックリしたレベルで済ませないでください!! 普通は恐怖で気絶するか狂います!!」日本が全力でツッコミを入れるが、日帝は
「いや、先輩の目があまりにも真剣だったからな、何か深い意図があるのだろうと……」と、相変わらずの限界突破した鈍感さを発揮していた。そんな二人を、にゃぽんは
「(組み伏せて指を噛み千切る……鬼気迫る執着……ッ! 公式が最大手、ごちそうさまです……!!)」と、鼻血を流しながら限界オタクの顔で拝んでいた。その時、ソファでウォッカをラッパ飲みしていたソ連が、ふと思い出したように口を開いた。
「……そういや、ナチス。お前、俺の右目を潰した時もさ」ソ連が自身の黒い眼帯を指差す。かつてナチスにやられたという、その右目の傷だ。「あの時、抉り取った俺の目玉を、『戦利品だ』とか言って、そのギザギザの歯でそのままムシャムシャ食べてなかったか?」
「「「「ヒィッッッ!!?!?」」」」ソ連の爆弾発言に、今度はリビングの現国全員(アメリカ、イギリス、イタリア、ロシア含む)が完全に引きつった。
「ちょ、親父、それマジ……!? 狂気すぎるだろ!!」ロシアすらウォッカを持つ手を震わせる。
「フン、食べたな。東の巨頭たるお前の視界(世界)を、我が身に取り込む最高の儀式だったからな。……ただ、お前の目玉は死ぬほどウォッカ臭くて、吐き気がするほど不味かったぞ」ナチスが心底嫌そうに顔を顰める。
「ガハハ! 当たり前だ! 俺の体は隅々まで極上のウォッカで満ちているからな! 最高の味だろう!」
「不味いと言っているだろうが、この赤熊が!!」
「あはは、二人とも仲良しんね〜! でも俺のピッツァは食べないでね! ギザギザの歯で全部奪われたら泣いちゃうんね!」呑気に笑うイタ王、怒鳴り合うナチスとソ連、そして「先輩は私の指は美味しかったですか?」とズレた質問をする日帝。
「……もうダメです。この人たち、復活させるべきじゃなかった……。世界が、世界の倫理観が崩壊する……!!」まとめ役の国連は、旧国たちのあまりにも肉食獣すぎる狂気の過去を知り、ついにその場に膝をついて精神的な限界を迎えるのだった。
コメント
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あおいです🤍 第5話、読ませていただきました……! もう、冒頭のドイツの真面目な疑問からして面白くて、まさかナチスの歯がギザギザのクリーチャー仕様だったなんて(笑) にゃぽんが「公式が最大手」って拝んでるシーン、完全に同類の目で見てしまいました……わかる。 日帝の「先輩、何をしておられるのですか」のズレ加減も絶妙で、国連が膝をつく気持ち、すごくわかります。 このカオス、癖になります🌷
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