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それでは、
どうぞっ。
ーーーーー
数日後。
婚約の準備は、容赦なく進んでいた。
ドレス合わせ、日程調整、来客。
すべてが決まっていく。
自分の意思なんて、関係ないみたいに。
『お似合いですよ。』
周囲の言葉に、笑って返す。
🤍「ありがとうございます。」
ちゃんと、できてる。
ちゃんと、“お嬢様”をやれてる。
でも。
🤍「……っ」
胸の奥が、ずっと苦しい。
あれ以来、彼女とは会っていない。
いや、会えなかった。
どんな顔をして会えばいいのか分からなかった。
それは勿論、彼女もだった。
ーーーーー
夜。
ふと気づけば、あの人の部屋の前に立っていた。
🤍「……バカみたい。」
もう来る理由なんてないのに。
それでも、足が止まらない。
ゆっくりと扉に触れる。
開ける勇気は、ない。
その時。
🩵「お嬢様。」
背後から、声。
心臓が跳ねる。
ゆっくり振り返る。
🤍「……もう治ったの?」
思わず出た言葉。
彼女はいつも通り、頭を下げる。
🩵「最終確認のため、屋敷に戻っておりました。」
“業務”。
その一言で片付ける。
🤍「……そっか。」
それ以上、言葉が出ない。
沈黙。
耐えられなくなって、先に口を開く。
🤍「ねえ、」
彼女を見る。
🤍「本当に、それでいいの?」
真っ直ぐに。
逃げない。
🩵「……はい。」
迷いのない返事。
でも、その声は少しだけ硬い。
🩵「私は、お嬢様の幸せを……」
🤍「それ、やめて。」
遮る。
もう聞きたくない。
🤍「私言ったはず。逃げないでって。」
🤍「お嬢様の幸せ、幸せ……それってさ、私が決めることなんじゃないの。」
1歩近づく。
彼女の表情が揺れる。
🤍「なんで勝手に決めるの。」
声が震える。
でも、止めない。
私はもう逃げないよ。
🤍「もう1回言う。」
🤍「私は、貴女がいい。」
言ってしまった。
全部。
🤍「命令じゃない。」
🩵「お嬢様。」
🤍「お願い。」
1歩更に近づく。
もう、逃げ場なんてない距離。
🤍「1回でいいから。」
手が震える。
でも、伸ばす。
彼女の裾を、そっと掴む。
🤍「”お嬢様”じゃなくて、ちゃんと見て。」
NEXT.
LEU
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