テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
それでは、
どうぞっ。
ーーーーー
長い、長い沈黙。
彼女は動かない。
触れない。
でも、その瞳だけが揺れていた。
🩵「……無理です。」
絞り出すような声。
胸が落ちる。
でも_
🩵「そうしなければ、……」
彼女の手が、初めて動いた。
來亜の手を掴む。
強く。
逃がさないみたいに。
🩵「戻れなくなる、。」
低い声。
抑えきれない感情が滲む。
🩵「全てを壊してしまう。」
🤍「いいよ。」
即答だった。
迷いなんてない。
🤍「壊れてもいい。」
彼女の目を真っ直ぐ見る。
🤍「私は、貴女が居ない方が無理。」
その瞬間、彼女の中で何かが切れた。
🤍「……っ、」
ぐっと引き寄せられる。
初めて超えた距離。
触れてはいけないはずの距離。
🩵「、…後悔しますよ。」
🤍「しない。」
🩵「全て失います。」
🤍「いいの。」
一つも迷わない。
🩵「…、お嬢様はどうしてそんなに_」
彼女の声が震える。
言葉にならない。
でも、もう分かってる。
🤍「好きだからでしょ。」
静かに言う。
それが全部。
彼女は目を閉じる。
そして、
🩵「…、來亜」
初めて、名前を呼んだ。
涙が零れる。
🤍「…遅い。」
笑いながら言う。
🤍「ほんとに…遅すぎる。」
そのまま、彼女は來亜を抱き締める。
二度と離さないみたいに。
ーーーーー
数ヶ月後。
大きな屋敷から、1人の令嬢が姿を消した。
婚約は白紙。
家は混乱。
全てが崩れた。
でも。
小さな町の一角。
🤍「ねえ、これどう?」
明るい声が響く。
振り返ると、笑ってる彼女がいる。
もう”お嬢様”じゃない姿で。
🩵「……お似合いです。」
自然に答える。
今度は、ただの言葉として。
🤍「でしょ?」
嬉しそうに笑う。
その顔を見て、ふっと息をつく。
🩵「來亜。」
名前で呼ぶ。
もう躊躇わない。
彼女は少し驚いて、でもすぐに笑った。
🤍「なに?」
🩵「いえ、」
首を振る。
ただ、
🩵「なんでもございません。」
手を取る。
今度は躊躇いなく。
“主従”は終わった。
でも、
それ以上の関係がここにある。
END.
LEU
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!