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「あなたのお父さんが見つかるといいわね。」
ルディは、まだ困惑している。
「お母さん?さっき、お父さんを見つけたら逃げなさいって言ってたよね?」
「…」
「お母さん?」
ルディのお母さんは、黙り込んでしまった。
「冒険楽しんできてね。何回も言うように、ニンゲンを見ようとしてはいけないわ。」
「わかってるって!」
先程のお母さんの様子に少し不安を感じたが、ようやく冒険にいけるという楽しみがあったので、ルディは気にせずに、森の方へ向かった。
森の方へはしゃぎながら飛んでいくルディを見て、心配そうな顔をする。
「あなたは、やっぱりお父さんにそっくりなのよ。」
不安が大きく膨らむ。ふと目をやると、そこには小さな動物がいた。しばらく、その小さな動物を見て、
「よろしくね。」
安心そうに言う。
『 この子がいれば大丈夫』
その小さな動物は、コクリとうなずくようにして、ルディが飛んでいった方向に、飛び去っていった。
一方で、ルディは初めて見る外の景色に目をキラキラさせていた。遠くを見ると、でっかい建物があった。
「あれなんだろ?」
う〜ん?と考えてみる。
「あっ!ニンゲンの街だ!」
どうしよう。ニンゲン。響き良い。どんな魔物なんだろうか?どんや姿をしているのだろうか?どんな技を使ってくるのだろう?
お母さんは、弓矢?や魔法を使ってくるって言ってたような?と言うことはとても強いのだろう。
ニンゲンを倒しに行くと行ったお父さんは、とても勇気がある自慢のお父さんである。
「もしかしたら、お父さんは今もこうしている間に、戦っているのかもしれない! 」
でも…お父さんを見つけたら逃げなさいってどういう意味何だろ?
お父さんはどんな性格をしているんだ?
もしかしたら、お母さんをいじめてた可能性がある。
いろんな可能性があるけれど、実際にあってみないとわからない。
ルディは、お父さんと一緒にいた記憶なんて欠片もないのだ。
いや…本当にないのか?
ルディは、空を飛んだまま記憶を探り出した。
あった!これだ!
「これは…僕がとても小さいとき…」
記憶の中で、お父さんらしき姿が何かを言っている。
「…!…………。」
なんて言ってるんだ?
「お前はっ!………なのか?」
「待て!…なら…俺が……。」
なんて言ってるのかわからない。
ところどころ、思い出せない部分がある。
「う〜ん。」
もっと記憶を探り出そうとした。
「キュゥーーーーー!!!」
「来るなぁぁぁ!」
悲鳴とともに声が聞こえた。
「なんだっ!?」
ルディは、声がした方へ向かった。
そこには、ウサギのような姿、目は青く、声を出している口からは、キバが見えた。
どうやら、悲鳴を上げた正体は、この魔物だったらしい。
その魔物の近くには、複数の魔物?いや、ニンゲンがいる。お母さんから前言われた通りの特徴があった。全身に毛がはえていない。
曲がった棒のようなものを持っていたり、
様々な姿をしている。三角の帽子をかぶっていたり、硬そうな見た目の防具を着ていたり…
って!そんな事考えてる場合はない!
早く助けないと!お母さんに言われたことは忘れて、人間たちに突っ込んでいった。