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静まり返ったスタジオの片隅で、童磨の瞳にふと、いたずらっぽくも真剣な光が宿りました。彼はしのぶの耳元に顔を寄せると、甘く、どこか試すような声で囁きました。「ねぇ、しのぶちゃん。さっき『毒もいらない世界』って言ったけど……君の体の中にあるものなら、それがどんなものでも僕は愛せる自信があるんだ。例えば、君の聖水……少しだけ、僕に分けてくれないかな?」
しのぶは一瞬、何を言われたのか理解できず、目を見開いて固まりました。しかし、童磨の視線が冗談ではないことを悟ると、彼女の頬は一気に朱に染まります。
「……何を、言っているんですか。あなたは本当に、救いようのない変態ですね」
拒絶の言葉とは裏腹に、彼女の声は震え、その瞳には彼への深い情愛と、抗いきれない高揚感が混じり合っていました。恋人という特別な関係だからこそ許される、秘められた背徳の誘い。しのぶは乱れる呼吸を整えながら、意を決したように立ち上がりました。
「……後悔しても、知りませんよ」
数分後、彼女から手渡された小さな紙コップを、童磨は宝物でも扱うかのように両手で包み込みました。立ち上る微かな熱気と、彼女自身の体温が伝わってくるようです。
童磨はそれを愛おしそうに見つめると、躊躇うことなく口をつけました。
喉を鳴らして飲み下すその姿を、しのぶは顔を覆いながら、指の隙間からじっと見つめています。
「ふふ……すごいね。しのぶちゃんの体温が、そのまま僕の中に入ってくるみたいだ。少し苦くて、でも、誰よりも一生懸命に生きてる君の味がするよ」
飲み終えた童磨は、口元を拭うことさえ惜しむように舌先で唇をなぞり、うっとりと目を細めました。その表情には、どんな極上の蜜を味わった時よりも深い充足感が浮かんでいます。
「これで、君の一部が完全に僕のものになった……。幸せだなぁ、しのぶちゃん」
「……バカな人。そんなもので、満足なんですか?」
しのぶは赤くなった顔を隠すように、再び彼の膝に顔を埋めました。羞恥心で胸がいっぱいになりながらも、自分を丸ごと受け入れ、汚いとされる部分さえも愛おしむ彼の異常なまでの執着に、彼女は言いようのない安心感を覚えていました。
二人の間には、もはや誰にも踏み込めない、歪で、けれど誰よりも純粋な愛の形が完成しつつありました。
風宮 むぅまろ🦇🍀︎ 🍬🍚