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もう夫婦だ……‼️✨まじで最高すぎます!!
今回もちょーーーーー最高です💕
中等部3年生。外は暖かな春の陽気。寮の廊下からは部活に向かう生徒たちの足音が時折聞こえますが、二人の部屋の中だけは、時計の針の音さえも優しく響くような、穏やかな時間が流れていました。
二人はベッドの上に並んで座り、一冊の画集を眺めています。
元貴は滉斗の広い肩にこてんと頭を預け、滉斗から贈られたあのイヤーマフを首にかけて、リラックスした表情で目を閉じていました。
滉斗はそんな元貴を包み込むように後ろから片腕を回し、もう片方の手で元貴の柔らかな髪を、宝物に触れるような手つきでそっと撫でています。
そこには、恋人という言葉だけでは足りないような、深い信頼と安らぎが満ちていました。
「おーい! 差し入れ持ってきたよぉ〜!」
予告なしに(とはいえ、彼らにはお馴染みのリズムで)ドアが開きました。現れたのは、高等部の最高学年らしい余裕……は相変わらずなく、元気いっぱいの涼架です。
しかし、一歩足を踏み入れた瞬間に、涼架の動きが止まりました。
「…………わぁ。」
あまりにも完成された「二人の世界」を目の当たりにして、涼架は手に持っていた紙袋を抱え直しました。
「あ、涼架さん。……わざわざ高等部棟からですか?」
滉斗は撫でる手を止めず、少しだけ顔を上げて言いました。
「ひ、ひろと……。涼架さん、いらっしゃい」
元貴が少し顔を赤くして体を起こそうとすると、涼架は慌てて「そのまま、そのまま!」と手で制しました。
「いやぁ、お邪魔しました。……っていうか、二人とも。もはや『夫婦』だね、それ。」
「夫婦……?」
元貴がぱちくりと目を瞬かせます。
「そうだよ! その、お互いがお互いの一部みたいな空気! 滉斗のその『僕の奥さん、可愛いでしょ』って言わんばかりの顔と、元貴の『ここが世界で一番安心する場所なの』って顔! 熟年夫婦でもそこまでのシンクロ率は出せないよぉ」
涼架の熱烈なツッコミに、滉斗はふい、と視線を逸らしました。
「……別に、普通にしてるだけです。こいつが疲れてそうだったから、支えてただけで」
「それが普通になっちゃうのが凄いの! 6年間の僕の観察眼に狂いはないね。……よし、この『夫婦』には、とびきり甘いケーキを献上しちゃおう!」
涼架が持ってきたのは、学園近くの有名店のケーキ。
結局、三人で円卓を囲み、涼架の「高等部最高学年の苦労話(という名の惚気)」を聞きながらの賑やかなお茶会になりました。
「ねえ、ひろと。……夫婦って、言われちゃったね」
涼架が帰った後、元貴が少し照れくさそうに呟くと、滉斗は再び元貴を自分の腕の中に引き寄せました。
「……間違ってないだろ。卒業しても、大人になっても、俺の隣はお前以外ありえないんだから」
「……うん。僕も、ひろとの隣がいい」
3年生という、進路や将来を考え始める時期。けれど、二人の「行き先」だけは、ずっと前から決まっているようでした。
主の実体験を元に書きました。
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