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「早見来未さんで合ってますね?」
「はい」
俺は扉をしっかりと開き、警察を家に誘導させる。
俺がそうすると、警察は家に入って行った。
「早見さんはこちらへ」
玄関にいる警察は俺のことを誘導する。
「はい」
俺はそれに素直に従った。
その時、俺を誘導している警察のスマホが鳴った。
警察は電話が終わると俺のことを有り得ないと言わんばかりの目で見てきた。
「早見さん、現在確認する事が出来ました」
「はい」
俺は既に知っているかのような口ぶりで言う。
「腕を出して」
「はい」
「早見来未、午後5時39分殺人罪で逮捕します」
警察はそう言いながら、俺の腕に手錠をかけた。
カァーカァーカァー
「はッ…俺、今、」
俺はカラスの声で目が覚めた。
ベンチから起き上がると、背中が汗でびっしょりだった。
(なんで…俺、殺人なんて…)
俺は昨日、このリアルな夢の仮説をたてた。
その仮説が本当なら俺は今後、人を殺すことになる。
公園の時計は6時を示している。
この時間なら親父は起きていないはず、
俺はそう思い家に向かおうとした。
その時、俺が求めている人を見つけた。
でも、何故かその人の名前を呼ぶことはできない。
声が喉に詰まって、上手く声が出せない。
俺がその場で戸惑っていると、不意に振り返った永目は俺を見つけた途端、俺に向かって走り出した。
「早見!」
永目は屈託のない笑顔で笑っている。
俺も永目の名前を呼び返したいのに喉に声が詰まっている感覚が抜けない。
「早見?大丈夫?体調悪い?」
永目の声はとても優しくかった。
気付くと俺の目からは涙が出ていた。
抑えたくても抑えられない、
(永目の前では泣きたくねぇ、)
俺はそう思い、涙を抑えようとした、
その瞬間、永目は俺の事を抱き締めてきた。
「早見、大丈夫だよ、落ち着こ、ね?」
俺の頭ではその言葉が何回も響き渡る。
永目は背伸びをしながら俺の頭を撫でる。
俺の中ではぷつんと何かが切れた音がする。
その音がした瞬間、俺の目からは抑えることはできない量の涙が出てきた。
「早見、大丈夫、大丈夫」
その間、永目は俺のことをしっかりと受け止めてくれた。
「早見、落ち着いた?」
俺は永目のおかげで落ち着きを取り戻した。
「ぁぁ、ありがとう、」
「良かった、」
俺の中でずっと抑えてきた感情。
でも、もう抑えきれないみたいだ、
永目に嫌われてもいい、
今、俺は抱きしめられたから、
少しは忘れられる、
「なぁ、永目」
「ん?なに?」
「俺、永目の事が好きみたいなんだ」
俺は永目としっかり目を合わせてそう言った。
しっかり目を合わせたのは初めてだったのかもしれない、
永目は黙ってしまった。
そうに決まっている。
だって永目には特別な人が居るから、
振られるなら、勢いよく振られたい、
俺は黙って永目の返答を待った。
「早見、」
「ああ、」
「ちょっと考えさせて」
「分かった、」
永目は俺の返事を聞いてからその場を去って行った。
振られなかった、
これはどういうことなのだろうか、
俺にもまだチャンスはあるのか?
それとも、何か企んだり、
いや、永目はそんなことをする奴じゃない。
空に綺麗な太陽が昇る中、俺はゆっくりと家に向かった。