テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
俺はリビングの扉を開ける。
予想通り、親父は寝ていた。
俺は静かに自分の部屋へと向かった。
部屋に着き、俺はベッドにもたれかかった。
そして、さっき俺が永目に言った言葉を思い出す。
俺はこの好きという気持ちを抑えきれずに永目にぶつけてしまった。
永目はそう言われても優しく接してくれた。
そうされたことで俺の気持ちが大きくなっている事はよそ見することにした。
ドンッ
ドアが開く音がする。
俺はドアの方を見た。
そこには離れていても分かるほど怒りに満ちている親父の姿があった。
「おい゛」
「なんで、いんだよッ」
「出てったんじゃねぇのかよ゛」
親父はそう言いながら、酒の空き瓶片手に俺に近付いてくる。
俺は部屋から追い出そうと思い、ベッドから立ち上がる。
「出てけよッ゛」
「親父こそ出てけよッ゛」
「親父と呼ぶなッ゛」
親父はそう言いながら、さっきまでフラフラとした足が嘘だったかのように俺に向かって走り出した。
「来んなよッ」
「黙れッ゛」
親父は片手にある空き瓶を振り上げた。
バリーン
親父の振り上げた空き瓶は俺の頭にぶつかっていた。
不意に額を撫でると手には血が付いていた。
空き瓶で殴られたと気付いたのはその後だった。
不思議と痛いとは感じない、
それよりも、苦しいという感情が勝っていた。
「お前なんか、死ねよッ゛」
「親父ッ、やめろッ」
それから、何があったのかは分からない、
気付くと俺は親父を殺していた。
俺の部屋には空き瓶の破片と生臭い匂い、ベッドの上で血を流している親父、母さんに買ってもらった彫刻刀を持っている俺が居た。
俺は彫刻刀を持ったままリビングへと向かった。
俺はリビングのソファに座った。
ここに座ったのはいつぶりだろうか、
このソファは家族3人で買いに行ったもの。
母さんもお気に入りのソファ。
俺は握りしめている彫刻刀を酒しか置かれていない机に置き、母さんの写真へと向かった。
母さんはにっこり笑っている。
写真の反射で映った俺の顔は酷いものだった。
血塗れで、苦しそうな顔。
(この顔で永目に会ったら、何があったのか聞いてくるんだろうな、)
永目の事を思うと少し顔が柔らかくなる感覚があった。
俺は手に持っている写真を置いて、スマホを取りに自分の部屋へと向かった。
俺は親父の方を見る。
「今までありがとう」
俺はそう言い、スマホを開く。
そして『110』という番号を打つ。
そこで、俺は思いとどまる。
俺は今の時間を確認した。
午後5時12分
もし、このまま俺が警察に連絡したら、
ピコンッ
永目から連絡がきた。
俺はメッセージアプリを開き、永目のアイコンをタップする。
【明日、裏庭で会える?】
俺は急いで、返信する。
【分かった】
俺はそれだけ送り、スマホを閉じた。
警察に連絡するのは永目に会ってからにしよう。
俺はそう思い、リビングに向かった。
リビングのソファに寝転がる。
俺は母さんに見守られながら、眠りについた。