齋藤瑞希(さいとう みずき) 17歳。
森田健(もりた けん) 17歳。
長嶋未来(ながしま みらい) 17歳。
齋藤瑞希
今日も学校に行く。学校は行くまでがとてつ
もなく面倒だ。今日も私が乗る電車には誰も
いない。同じ学校のあの子を除いて。暇だか
ら今日も暇つぶしに話しかけに行くとする。
森田健
今日も早めに学校に着く。瑞希は早く来るは
ずだ。早く会いたい。隣にいるだけで笑顔に
なれるあの子は僕の物語、この世界のヒロイ
ンだ。
齋藤瑞希
休み時間、私の席のまわりには男女問わず、
沢山の人が寄ってくる。でも、いつも長嶋さ
ん、世でいう陰キャは来ない。私は陰キャと
は呼びたくないし一緒に話したいから長嶋さ
んに話しかけに行く。みんな不思議な目で私
を見てくる。中にはあんな陰キャ話しかける
必要ないと言ってくる子もいる。
「私はクラスの子全員と話したいんだ。
長嶋さん達と話したらストレスがたまら
ないよ。
みんなと仲良く出来て嬉しいから。」
笑顔で言ってみる。
嘘では無い。でも本当はストレスをためない
ため。この人たちといると気を使ってしま
う。でも長嶋さん達と話していると気を使わ
ず、スラスラ話が進んでいくから私は話しか
ける。
「長嶋さんっ!」
声をかけると彼女は少し怯えた様な目で私を
見てきた。それも無理はない。他の人から見
られているから。
「今日も屋上で一緒にご飯食べよっ?」
長嶋未来
笑顔が怖い。物語のヒロインのような容姿を
持ち合わせる彼女に私は虐められている。
最近は暴力も増えている。だから今日こそ言
うんだ。
昼休み
「齋藤さん、私を、」
「ん?」
「いじめをやめてください、」
「何言ってるの、」
齋藤瑞希
「何言ってるの、」
何で嫌なの?長嶋さんは私がいないと話にも入れないくせに、
「私がいないと話にも入れないくせに何言ってんの」
「いや、」
「え?」
「殴られて痛い?」
「どうしたの急に」
「今までそんなこと言わなかったくせに、」
「やめてくださいっ、」
長嶋さんは走っていった。
先生にでも言うつもりなのだろうか。
「私の人生も終わりかな、」
私は黙ってかえることにした。
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