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如月×copilotちゃん
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ー『言葉の続きを_』ー
ーーー茈side
◆言えないまま、時間だけが進む
いるまの家で、引越しが決まった。
段ボールが積まれた部屋。
見慣れた景色が少しずつ形を変えていく。
いるまは、その現実を前にしても、
なぜか心が静かだった。
ただ——
胸の奥がずっと重かった。
「……言わなきゃいけないのに」
みことには言えた。
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放課後の教室。
みことは机に頬杖をついていた。
「みこと、ちょっといい?」
いるまが声をかけると、みことはすぐに顔を上げた。
「どうしたん?」
いるまは少しだけ視線を落とした。
「……引っ越すんだ。来週」
みことは一瞬固まり、ゆっくり息を吸った。
「……そう、なんや…、言いづらかった、よな?」
いるまは小さく頷く。
「うん。でも、ちゃんと言っておきたくて、、」
みことは優しく笑った。
「言ってくれてめっちゃ嬉しい!
まにき、離れてもずっと友達やで!」
その言葉に、いるまの胸が少し軽くなった。
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こさめにも言えた。
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帰り道。
こさめはコンビニの袋を揺らしながら歩いていた。
「こさめ、ちょっと話したいことがある」
こさめは歩みを止めて、いるまの顔を見た。
「どしたの?」
いるまは深呼吸した。
「……引っ越すんだ。来週」
こさめは目を丸くした。
「え……そうなんだ。
遠いところ、?」
「うん……」
こさめは少し寂しそうに笑った。
「そっかぁ。でも、こさは、いるまくんが決めたことなら、応援するよ。ちゃんと教えてくれてありがとう」
その優しさに、
いるまは胸がじんわり温かくなった。
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すちにも、
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部室の前。
すちは飲み物を片手に立っていた。
「すち、ちょっといい?」
「どうしたの〜?」
いるまは言葉を選びながら言った。
「……引っ越すんだ。来週」
すちは一瞬だけ目を細めた。
「……そっ、か」
いるまは少し不安になって言葉を足す。
「言えなくて、ごめん」
すちは首を振った。
「謝る必要ないよ。
いるまちゃんのことだし、言いづらかったんでしょ?」
その優しさに、いるまは少し笑った。
「ありがとう」
「…ずっと、忘れないから。いるまちゃんも忘れないでよ?」
にこにこ笑いながら言うすちの声は胸に深く響いた。
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なつにも、なんとか言えた。
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夕方の校舎裏。
なつはフェンスにもたれていた。
いるまは数十分渋っていたが、覚悟を決めて、
「なつ、話したいことがある」
なつはすぐに表情を引き締めた。
「どうした?」
いるまは少しだけ視線を落とした。
「……引っ越すんだ。来週」
なつは驚いたように目を見開いた。
「……そっか。転校しちゃうの?」
「うん……」
なつは少し笑った。
「まあ、離れても友達なのは変わんねぇし。
いるまが覚えててくれるなら、それだけで十分だよ」
いるまは息を吐いた。
「…その、…LANには、まだ言えてなくて…、」
なつは静かに短く言った。
「いるま。」
「分かってる…分かってるけど…、怖くて…ッ」
なつは俯いたいるまの顔を覗き込んで言った。
「気持ちは分からんでもない。でも、言いたいなら、言ったほうがいいよ。俺、お前に後悔してほしくない。」
その言葉が、
いるまの背中を強く押した。
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でも——
何度勇気を出そうとしてもLANにだけは言えなかった。
一番仲がいいからこそ、
言葉が出なかった。
「LANにも……ちゃんと言いたいのに」
言えないまま、引越しの日が近づいていく。
◆引越し当日の朝、最後の勇気
引越し当日の朝。
いるまは玄関で靴を履きながら、
深く息を吸った。
「……今日、言おう」
今日しかない。
今日を逃したら、もう二度と会えないかもしれない。
いるまはスマホを握りしめて、
LANにメッセージを送った。
『今日、少しだけ会えない?
話したいことがあるんだ』
数分後、LANから返信が来た。
『いいよ!じゃあ10時にいつもの公園で!』
いるまは胸が少し軽くなった。
「……よかった」
今日だけは、LANに会いたかった。
今日だけは、LANに聞いてほしかった。
◆すれ違いの瞬間
昼前。
いるまは公園へ向かう途中で、LANから通知が来た。
『ごめん!予定入っちゃった!またお願い!』
その瞬間、
いるまの足が止まった。
画面を見つめたまま、
呼吸が浅くなる。
「……または無いんだよ……っ」
声にならない声が漏れた。
LANは悪気なんてない。
本当にない。
そんなことはいるまはわかっていた。
ただ、いるまの“今日だけは来てほしい”に気づけなかった。
それだけ。
いるまはスマホをゆっくり閉じた。
「……そっか」
そして、
そのまま遠い街へ引っ越した。
LANに何も言えないまま。
◆表のいるま。裏のいるま。
新しい街での生活は、表面上は順調だった。
学校では普通に話せる友達もできた。
授業も問題なくこなせる。
笑うことだってできる。
周りから見れば、
「うまくやってる」ように見えた。
でも——
夜になると、胸の奥が静かに痛んだ。
ベッドに横になりながら、
天井を見つめる。
「……LANに、ちゃんと言えなかったな」
あの日の公園。
スマホの画面。
“またお願い!”の文字。
LANは悪気なんてなかった。
本当に、何も悪くなかった。
ただ、いるまが“今日だけは来てほしい”と言えなかっただけ。
「俺が……言えなかったんだよな」
「なつの言う通りだ…、」
そう思うたびに、
胸の奥がじんわり熱くなる。
新しい街の夜は静かで、
その静けさが余計に後悔を浮かび上がらせた。
LANの名前をスマホで見つけるたび、
指が止まる。
連絡しようと思ったことは何度もあった。
でも、送れなかった。
「……もう、言えないよな」
そう呟いて、
画面を閉じる。
表面上はうまくやっている。
でも、心の奥ではずっとLANのことを思い出していた。
「または無いんだよ……」
あの日の言葉が、
ずっと胸の奥に残っていた。
◆君と笑い合ったあの改札で
数年後。
夕方の駅。
人の流れがゆっくりと揺れている。
LANは仕事帰りで改札を通ろうとしていた。
ふと、横に見覚えのある後ろ姿があった。
少し大人びた肩のライン。
歩き方。
雰囲気。
「……いるま?」
その名前が自然に口からこぼれた。
いるまはゆっくり振り返った。
目が合った瞬間、
時間が止まったように感じた。
いるまは驚いたように目を見開き、
そして少しだけ笑った。
「……LAN、!」
LANは息を飲んだ。
「……本当に……いるまなんだ…っ!」
声が少し震えていた。
いるまは目を伏せた。
「久しぶり」
「……久しぶり」
二人の間に、
数年分の沈黙が流れた。
でも、その沈黙は痛くなかった。
むしろ、優しかった。
LANが小さく笑った。
「……少し、歩かない?」
いるまも笑った。
「もちろん。」
◆歩きながら、ようやく言える言葉
駅前の道を並んで歩く。
夕方の風が少し涼しい。
LANが口を開いた。
「……あの日、俺……行けなくてごめん」
いるまはゆっくり言った。
「……俺も、言えなくてごめん」
LANは横目でいるまを見る。
「引越し、言おうとしてたんだろ?」
いるまは少し笑った。
「うん。でも……言えなかった」
LANは深く息を吐いた。
「……気づけなかった。
いるまが“今日だけは来てほしい”って思ってたこと」
いるまは首を振った。
「LANが悪いわけじゃないよ。
俺が……言えなかっただけ」
LANは歩く速度を少し落とした。
「でも……また会えてよかった」
いるまはその言葉に、胸がじんわり温かくなる。
「……俺も」
夕暮れの中、
二人の影が並んで伸びていく。
すれ違った時間は長かったけれど、
再会の瞬間に、全部ほどけていった。
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コメント
3件
お疲れ、如月💜🎼さん!第5話読了したわ。 いるまがみんなに引越しを伝えるシーン、ひとりひとりとの距離感がしっかり描かれてて、すごく胸に来た。特になつが「後悔してほしくない」って背中押すところ、いい味出してる。 肝心のLANには言えずじまいで去っていく切なさ…「またお願い!」の通知で止まる足、わかるわ。何も悪くないのにすれ違うもどかしさがリアルすぎた。 数年後の再会で互いに謝るシーンは報われた感あって、じんわり温かくなった。 「言えなかった」を抱えたまま生きる重さと、再会で少しほどける救い、どちらも丁寧に紡がれてて好きだわ。 次も楽しみにしてる🔥
30
𝓈𝓊𝒾
19
たまごっちにハマったうぉんな
57