※いよわさんのあだぽしゃの捏造のやつです
分かりにくいし後半雑になってるのごめん
「雪山で心中しましょう?矛盾脱衣っていうのがあるじゃない?あれを利用して死にに行くわ。これで確実に死ねるのよ。」
そう自殺の計画を練り彼に話したのは、紛れもなく私だった。
とっくのとうに彼からの愛情が少なくなっていっているのには気づいていたから、せめて心の器に残っている愛までもを零したくなくて、まだ心に愛が溜まっているうちに彼とこの人生を終わらせようと考えた。
それに、もう母に縛られてばかりの人生には飽き飽きしてしまったからである。いっそのこと私をあんなに縛ったことを後悔させてやろうとすら考えた。
勉強しなさい、野菜を食べなさい、目を見て話しなさい…と、まるで自分が女王になったかのように命令をする。疎かにすると、ここまで育てたんだぞやら誰が金を払っているか分かっているのかやら恩を自分勝手に振り下ろすものだから、罰という形で最悪家にすら入れなくなってしまうため、私はただ淡々と命令を遂行するしかなくなっていた。
挙句、愛を求め今の彼に出会うが、それもまた意味はなくなってしまった。
そう思考が右往左往してしまっているのを自分で軽く叱り、またかという呆れたため息を零す。
彼に簡単に日時や服装などを伝え、最後に私より先に死なないでだとか自分だけ生き残らないでだとかを付け加えた。
雪山に来ると、いつも通り降り落ちる雪に視界を奪われる。そんな中、赤茶色で塗られた木材で作られた看板を見つけ、雪を軽く払い看板に書かれている文字を読む。
「ここよ、ここ。この先に行くの。今の私達はこんな注意書き効果ないわ。もっと寒いところへ行かないと。」
注意喚起の看板を無視したらロクな目に遭わないのは分かっている。むしろ、今日はそのロクな目に遭わないことが目的なのだ。私は今、ただ欲のために動く猿である。
「ああ、心配しないで。火があるから周りは見えるわ。いつ寝てもいいのよ。」
そう言うと、彼はその許しを待っていたかのように眠ってしまった。このまま彼の寝顔を眺めていてもよかったのだが、寒さに包み込まれてしまうため、仕方なく彼を引き摺り歩くことにした。
遠くへ、もっと寒いところへ、と歩いていると、やはり水ぶくれが気になってしまう。私の足より少し小さい靴で、この靴を履いて外へ出ると必ず靴擦れしてしまうのだ。かといって新しい靴が欲しいと言ってもその願いが叶うことは稀だった。そう水ぶくれと靴の方に意識を持っていくと、昔のことを思い出して思わず涙が溢れそうになるから考えるのはやめにしたのだ。
このまま歩いているだけなのは暇で暇で、昔の記憶からタイムカプセルを掘り当てるかのようにあちこちを掘ってみた。が、思い当たったのは一つだけである。
ハンドオブグローリー(栄光の手)と屍蝋の話だ。たいして詳しくもないし、偶然掘り当てた昔の記憶だから不明なところも多く存在する。
ハンドオブグローリーと屍蝋を使った魔術的な何かがあるらしく、屍蝋はある状況下で死体の腐敗が止まり蝋状やチーズ状になる永久死体の一形態目らしい。ハンドオブグローリーは男の手を乾燥させ酢漬けにしたもの。そして、この雪山でも屍蝋というものは起こりえる。
そううだうだ考えているうちに、私は睡魔に取り憑かれた。もう私も寝ようと、彼を揺すり起こそうとした。が、彼の体は雪を感じる程冷たくなっていた。そこで私は我に返り、先程の眠気はどこかへ飛んで行ってしまった。先に死なないでと言ったのに。私は完全に彼が裏切り死んでしまったと思い至った。
彼の死体を引き摺りながら、歩く、歩く。
その状態で数日も歩き、もう限界を迎え、これ以上は歩くことができなくなっていた。彼の体はまだ冷たく、愛情の抜け殻になってしまった。
持っていた松明を雪のかかった地面に突き刺し、彼と眠った。
数時間程して起き上がると、彼はいなくなっており、地面に突き刺した松明も踏み潰されていた。またしても私は彼に裏切られたのだ。いや、むしろ私を裏切るために来たのか。
炎が消えてしまった影響で私の体は頭の先から足の指まで冷えきってしまい、命も長くないかもなと感じた。私は最後の力で彼を探そうともせず、更に更にと遠くへ行った。
私の心の器から愛は姿を消しており、器はただの浅い皿でしかなかった。
指の先も白に染まり、そろそろ頃合かなと見かけだけでも楽しんでみる。
いいの、私はこの結末で。母と離れられたし、私への愛が微塵もない彼とも離れられたんだから。それで、私は幸せなはずだ。これが望んだことなのだから。
そう、私には全員関係ないの!!
着込んだコートも全て脱ぎ捨て、草原を駆ける無邪気な子供のように雪へ倒れ込む。
私達はもう一生、分かり合うことはないでしょう。それはすでに分かっていたことでもあるでしょう。
だからもう私が生き残ったとて、私達が出会うことはないでしょう。むしろ、出会いたくもないでしょう。すれ違いませんように。
お互い、幸せになりましょうね。
きっとこの鐘の音も、私の幸せを意味してくれているの。
コメント
12件
やー!!いよわさん!好きなんですか!?
いよわさん好きなの?! いよわさん大好き!! 私はとくにきゅうくらりんが好き!
圧倒的ハンドオブグローリーと屍蝋への知識不足!!!!