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結構時間が経ってしまいましたがレコメンからのゾンビのお話です
ゾンビ映画なるもの、全く見たことないのでお見苦しいかもしれませんがお手柔らかにお願いします
瓦礫の山に覆われた都市
ビルの隙間から吹き抜ける風には、かつての生活の残り香がかすかに混じる
ゾンビが街に現れはじめてから、だんだん人間の姿は消えていった
そんな中でも、まだ生き残っている人々はちらほら外に出ては、銃でゾンビを退治している
俺も勇斗に連れられて、退治のために外の世界へ出た
昔は、銃なんて持っているだけで捕まるような時代だったのに
今じゃ、銃を使うのが当たり前だ
瓦礫の後ろに隠れて、ゾンビが来るのを待つ。
「なんで俺らがこんなことしなきゃいけないの」
「知らないよ」
「もう、ちゃちゃっと退治して早く帰ろうよ」
「そんなこと言ってたら死ぬぞ」
「俺が死ぬわけないだろ」
「お前、そんな死亡フラグばっか立てるな」
「ドラマの中じゃないんだから」
そのとき、後ろからガサッと音がした
「ひゃっ!」
驚いて振り返ると、ただ瓦礫の山が少し崩れただけだった
「バカ、お前そんなでかい声出すな。ゾンビだったら食われて終わりだぞ」
「ご、ごめん……でも、心臓止まるかと思った……」
そう言いながら周りを見渡していると一体のゾンビが目の前に居た
びっくりして腕にしがみ付くと勇斗も気づきバレないよう息を殺す
「ねぇ、こっち来たって」
「俺が行く」
「危ないって」
「大丈夫だから」
そう言って、勇斗は銃を構え、一人で前へ出た
自分も行こうとするが、恐怖で足が震えて立ち上がれない
その時、勇斗が持っていた銃の弾が切れた
ピンチになった勇斗は、足元の近くに落ちていた誰かが使っていた、弾が残っている銃を拾おうとする
その間もずっとゾンビは勇斗方に迫ってくる
「勇斗、だめっ……戻ってきて……!」
「は…やと……だめ、、うそ…っ」
信じられなくて、信じたくなくて
足も体も恐怖で震えて動かない
そこに、銃を構えた男が現れた
軽々と勇斗を襲ったゾンビを殺すと次は勇斗に銃を向けた
「待って…!殺さないで!」
「いや、早く殺さないと、あなたも俺もゾンビになっちゃいますよ?」
「でも……」
さっきまで一緒にいたのに
目の前で殺されるところなんて、見たくない
「もしかして……さっきまで一緒にいた人ですか?」
その言葉に、ゆっくり頷く
「ゾンビに立ち向かうお友達さん、かっこいいですね」
「でも、さっきまで人間だったとしても……ゾンビは退治しなきゃなんです」
「多分、僕が殺すより、あなたが殺した方がいいですよ」
ゾンビは、この世界に存在してはいけない存在
なんで勇斗が、そうなってしまったのだろう
その間も、ずっと勇斗は立ちすくんで動かない
「勇斗……最後まで、勇斗のままでいてくれて、ありがとう」
「じゃあね」
そう言って、銃の引き金を引いた。
END