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なんで、なんでお前が泣くんだよ。勝手に解釈して勝手にどっか行って、泣きたいのは俺のほうだ。そんな感情はどこにも無くて、ただ照に会いたい一心で走った。
辰「照…っ!照っ……!!」
辰「あっ…!」
人のいない小さな公園のベンチに照が座っている姿が見えた。
辰「照!!!」
照「…っえ?ふっか?」
照は俺が来る直前まで泣いていたのか、目の下が赤く腫れている。
辰「照、俺の話聞いて?」
照「…うん。」
辰「照が帰ってきた日、やっと会えたのが嬉しくて緊張して恥ずかしくて逃げちゃったの。」
照「嫌いになったんじゃないの?」
辰「え?」
思いもよらない言葉が照の口から聞こえて、びっくりした。照のことは前と変わらず、いや、前以上に大好きだ。
照「嫌いだから逃げたんじゃないの?」
辰「ちっ、違う!!!」
照「…そっか……。」
辰「だ、だから…!」
照「……?」
辰「照のことは好きだし…約束も忘れてない!」
照「良かった」
その瞬間、照が目の横にしわをよせてくしゃっと笑った。その姿はあまりにも愛おしかった。
辰「おかえり、照!」
―その後。
事務所に戻ると、メンバー全員が満面の笑みで俺たちを迎えてくれた。
亮「おかえり!」
蓮「おかえりなさい」
照「ただい…ま……?」
辰「え、なんでみんなニヤついてんの」
翔「涼太から聞いたんだよ」
大「水臭いでやんすよ〜?」
なんのことか分からず舘様のほうを見たけど、舘様はシラケた顔でライブの衣装で使うバラを選んでいる。
康「まさか2人がな〜!」
ラ「離れ離れの両思いとか素敵すぎ!」
辰照「……え?」
自分たち以外は知らないはずの情報を全員が知っている。そんな状況に驚きが隠せず舘様に詰め寄る。
辰「舘様?!どういうこと?!」
照「……まじでわからん。混乱してる。」
涼「大事な話は家でしないと。誰が、いつ、どこで、その大事な話を聞いているか分からないからね。」
辰「は、はぁあ…?!」
照「…やっぱそういう事か……。」
どうやらあの日の話を舘様に聞かれていたらしい。
全然気が付かなかった…。
その日から大事な話は密室でしようと心に誓った。
おかえり、好きな人 《END》