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「逃げ出した夜・・・初めて彼に殺されると思ったの・・・」




ランチを食べ終えた私たちはブラブラと二人で、ショッピングモールの中を散歩した



私の言葉に沈黙が流れ石畳みの歩道を、ベビーカーの車輪がガタガタ揺れる音だけが響いた




吹き抜けで木陰の多いショッピングモールは、平日の昼間の午後は人が少なく、木陰の下の休憩ベンチには学生カップルが多くいた





私たちは雑貨屋やブティック、レストランや、美容院の前を通り過ぎて行った





「その選択は間違いないわ」





義姉がそう言うとハイブランドの子供用品店のドアを大きく開けた


私はベビーカーを押して中に入った、ひんやりとした冷房に包まれ、心地よさに深呼吸した



おなかいっぱいになったハルは、ベビーカーの中でスヤスヤ眠っている




「ディオールが哺乳瓶を出す意味って考えたことある?」



クスクス私は笑った



「間違いなく赤ちゃんは気にしないわね」




彼女も辛らつに言った






子供用品店の子供服の値段を見てめまいを覚えた、一か月の俊哉と私の食費に値する服もあった


子供のファッションというのはその気になれば、信じられないぐらいお金をかけられるもの、なのだと思った



さらに義姉は言った





「人は自然と自分の方に原因があると、考えることで他人に危害を加えられることに、自己防衛から来る正当性を持つのよ





だって・・・理由もないのに突然気分で虐待されたり危害を、加えられると思うととても恐ろしいでしょ?」




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