「包みこんでしまいたい」
美穂(みほ)さんとの間に割りこんだ俺を見て、男性は事態を理解できないようだった。
なれなれしい笑みはなりをひそめ、「なんだよ」と思っているのはわかったが、それを言いたいのはこっちのほうだ。
なんで美穂さんの腕をつかむんだよ。
美穂さんが怖がっているのがわからないのか?
「どうしましたか?」
こちらを 睨(にら)んでいた相手は、俺のさげているスタッフカードが目に入ったようだった。
「いや……。前のイベントで会った子で、見かけて嬉しくなって……」
「そうでしたか。でもこれから次の試合が始まりますので、コートの移動をお願いできますか?」
大きくはないが、 有無(うむ)を言わせない口調で言えば、男性はしぶしぶといったふうに移動を始めた。
「……大丈夫ですか?」
男性が離れると、俺はそっと美穂さんに尋ねた。
このイベントを勧めたのは俺なのに、****************
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