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「……っ、……ぅ、……っ」
さらに一時間が経過した。 部屋の時計が刻む規則的な音さえ、今の太宰には膀胱を刺激するカウントダウンのように聞こえる。
太宰の姿勢は、もはや「座っている」とは言い難かった。 ソファの端に深く腰掛け、膝同士を壊れそうなほど強く押し付け合っている。それでも逃げ場のない液体は、容赦なく内壁を押し広げ、鋭い熱を持って太宰の意識を支配していた。
「おい、太宰。……顔色が悪いぜ? さっきまでの饒舌はどうした」
中也はわざとらしく、冷えたチェイサーの水を自分のグラスに注いだ。 トトト、という水音が静かな部屋に響く。その清涼な音が、太宰にとっては、耳の奥で直接脳を揺さぶる拷問に等しかった。
「……っ、……や、めろ、……その音、……っ」
太宰の声は掠れ、呼吸は細く、激しいものになっている。 一滴でも、一瞬でも気を抜けば、すべてが終わる。 かつて銃弾の雨を潜り抜けた時でさえ感じなかった「死」に近い恐怖が、下腹部のわずかな震えとなって彼を襲っていた。
「音? ……あぁ、これか。……いい音だよな、冷えてて美味そうだ」
中也はわざと、太宰の目の前でゆっくりとグラスを傾け、氷をカチリと鳴らした。 その瞬間、太宰の肩が大きく跳ねる。
「……あ、……ぁ、……っ、ちゅう、や……っ、もう、……限界、なんだ……っ。頼む、……っ」
太宰は震える手で、自分の太腿を強く握りしめた。 布越しに伝わる自分の熱。パンパンに張った下腹部が、服の僅かな摩擦にさえ過敏に反応し、そのたびに太宰の背中が弓なりに反る。
「頼む? ……何をだ。……手前が勝手に飲み干したワインが、外に出たいって言ってるだけだろ」
「……っ、……冗談、抜きで、……ほんとに、……っ!!」
太宰が耐えかねて腰を浮かせ、トイレの方へ一歩踏み出そうとした。 刹那、中也の足が太宰の進路を塞ぐ。
「……座れっつったのが聞こえなかったか」
中也の瞳が、獣のように低く光った。 太宰は蛇に睨まれた蛙のように硬直し、再びソファへと崩れ落ちる。その衝撃で膀胱が揺れ、太宰は「ひっ……!」と短い悲鳴を上げて、顔を覆った。
「……っ、……ぅ、……ゔ、……っ、あ、……ぁ……」
指の隙間から、大粒の涙がこぼれ落ちる。 太宰はなりふり構わず、膝を揃えたまま前屈みになり、下腹部を圧迫するようにして丸まった。だが、そうすればするほど、排泄を促す神経は狂ったように警鐘を鳴らし続ける。
「おら、こっち見ろよ」
中也の手が、太宰の濡れた髪を掴み、無理やり顔を上げさせた。 涙でぐちゃぐちゃになり、苦痛と羞恥に染まった太宰の顔。 ヨコハマで最も「完璧」だった男が、生理現象一つに翻弄され、ただ震えている。
「……くっ、ふ……っ、あ、……ちゅう、……や……っ。……だめ、……もう、……でちゃう……っ」
「……まだだ。……手前のその震えが、止まらなくなるまで待ってやるよ」
中也は楽しげに目を細め、太宰の震える膝に、わざと冷たい指先で触れた。 その刺激に、太宰の理性が音を立てて崩れ始める。
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