テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
瞬間移動された場所は、私がロジオを初めて見つけた部屋だった。
「デェ模んの方がガルムより、獄使としての実力があって良かったですわ。早く朕の脳からマタールナを取り出しなさい。」
閻魔神はそう言うと、床に寝転んで目を閉じる。
私はナイフを閻魔神の頭を慎重に刺し、脳を取り出す。
閻魔神の前頭葉の部分から、異質な灰色の液体が流れた。
その液体をバケツの中に入れる。
「ロジオさんは私の前頭葉にマタールナの移植をお願いします。」
「……決める運命は、『死者の魂は全て記憶をなくして転生させる。デェ模んという獄使の魂のみ、現生界のこれから生まれる胎児に記憶を残したまま宿させる。それ以外の獄使の魂も記憶をなくして転生。』にしろよ?」
「勿論です。」
「ああ。移植が下手でも文句言うなよ。」
ロジオは私の頭にナイフを刺して、その中にマタールナの液体を注ぐ。
麻酔をしていないから、普通に痛いが我慢だ。
「これで……いいのか?來雨さん?」
「……はい、多分大丈夫です。」
頭を裂かれたのに気を失ったりしないのは、私が生きてないからという理由だろう。
「能力を発動します。
『デェ模んという獄使の魂のみ、現生界のこれから生まれる胎児に宿させる。それ以外の死んだ人間と獄使の魂は、今すぐ跡形もなく消滅。これから死ぬ人間の魂も、消滅する。』」
私はかつて、地球を破壊しようとした。
全てを無にすれば、もう悲劇は起きないからだ。
だが、その計画も失敗に終わり、2人しか殺せなかった。
天国も転生もいらない。
無になることが、私の望む終着点。
地球の全生命体を滅ぼそうとしたことは、今でも後悔していないし、悪い事だとは全く思わない。
地球を壊す目的を果たせなかったという罪に、私は阿鼻界で罰を受けた。
死後を無にすることは、全てを滅ぼせなかった私にとって、真の償いである。
これまでは魂の転生によって、赤子の肉体に生命が宿されてきた。
魂の転生が行われないということは、これから生まれる赤子はデェ模ん以外死産だろう。
人類もすぐに緩やかな滅亡を遂げる。
そして私達死者は、消滅という名の救済をされたのであった。
めでたし、めでたし。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!