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らーゆダヨ🍜
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無気力組はアイドルだった第5話「夜中の帰宅」
合宿二日目。
午後になり、体育館にスタッフがやってきた。
「赤葦くん、白布くん。そろそろ出発です」
「分かりました」
赤葦と白布が荷物を持つ。
「今日、二人とも夜まで?」
国見が聞く。
「俺はたぶん遅くなる」
白布が答える。
「俺もです」
赤葦が続ける。
「じゃあ、頑張って」
角名が手を振る。
「そっちもね」
白布が笑う。
「赤葦、何の撮影?」
月島が聞く。
「ドラマです」
「また?」
「今回は少し長い撮影なので」
「へえ」
白布が靴を履く。
「俺は映画」
「タイトルは?」
「『だぁれかさんと遊ぼ』」
その瞬間、国見が顔を上げた。
「それ、今話題のやつ?」
「そう」
「怖いやつじゃん」
「まあね」
白布は何でもないように答える。
「じゃ、行ってくる」
二人は別々の車に乗り込んだ。
赤葦――ドラマ撮影
赤葦が到着したのは、大きな撮影スタジオ。
今日撮影するのは、話題のドラマ。
赤葦が演じる役は――殺人鬼。
「赤葦さん、衣装こちらです」
「ありがとうございます」
衣装に着替え、メイクをする。
普段の赤葦とは違う雰囲気に仕上がっていく。
「では、次のシーンお願いします」
「はい」
カメラが回る。
赤葦は静かに立っていた。
普段の穏やかな表情とはまるで違う。
役になりきった目。
低く落ち着いた声。
「……逃げても無駄ですよ」
「カット!」
「OKです!」
スタッフから拍手が起こる。
「赤葦さん、すごくいいです!」
「ありがとうございます」
しかし撮影はまだ終わらない。
次のシーン。
その次のシーン。
夜になっても続いていく。
休憩時間。
赤葦はスマホを確認した。
グループLINEには大量の通知。
あき:まだ?
ほたる:遅い
りん:赤葦、今日帰ってこれる?
けい:たぶん遅くなります
けん:俺も
あき:白布も?
けん:うん
赤葦が少し笑う。
けい:みんな先に寝てて大丈夫ですよ
すぐに返信。
あき:やだ
ほたる:別に待ってない
かい:待ってる
りん:俺も
赤葦は画面を見つめる。
「……幼なじみって、こういうところですよね」
スタッフが笑った。
「仲いいんですね」
「まあ」
赤葦はスマホをしまった。
そして、また撮影へ戻っていく。
白布――『だぁれかさんと遊ぼ』撮影
一方その頃。
白布も別の撮影現場にいた。
『だぁれかさんと遊ぼ』
現在話題になっている作品。
白布は重要な役を演じている。
「白布さん、次のシーンお願いします」
「はい」
衣装を整える。
カメラの前に立つ。
「本番!」
白布の表情が変わる。
普段の冷静さとは違う、張り詰めた演技。
「……誰?」
静かな声。
「カット!」
「OK!」
「白布さん、今のすごく良かったです!」
「ありがとうございます」
しかしこちらも、簡単には終わらない。
撮影は夜まで続いた。
時計を見る。
――23時過ぎ。
「まだ終わらないのか……」
白布が小さく呟く。
白布はスマホを確認する。
5人はそれぞれ布団に入っていた。
「……まだ帰ってこないね」
国見がスマホを見る。
「仕事だから仕方ないでしょ」
月島が答える。
「白布も?」
「うん」
研磨が布団の中からスマホを確認する。
「まだ」
角名はベッドに寝転がりながら、
「明日も朝から練習なのにね」
と呟いた。
「寝よ」
月島が電気を消す。
「おやすみ」
「おやすみ」
部屋が暗くなる。
それからしばらくして――
廊下から小さな足音が聞こえた。
カチャ。
部屋のドアが少し開く。
「……ただいま」
白布だった。
部屋の中は真っ暗。
全員寝ている。
白布は起こさないように静かに荷物を置いた。
そのまま自分の布団へ入る。
すると暗闇の中から小さな声。
「……おかえり」
「起きてたのか?」
「今起きた」
国見だった。
「寝ろ」
「白布も」
「分かってる」
それだけ言って、二人とも目を閉じる。
さらにしばらくして。
また廊下から足音。
今度は赤葦だった。
ドアを開ける。
「……ただいま」
返事はない。
全員、寝ている。
赤葦は静かに荷物を置き、自分の布団へ向かう。
「……遅かったね」
突然、角名の声。
「起きてたんですか?」
「ちょっとだけ」
「すみません、起こしました?」
「大丈夫」
赤葦が布団に入る。
「撮影どうだった?」
角名が小声で聞く。
「長かったです」
「明日、起きれる?」
「……頑張ります」
「頑張って」
「はい」
二人とも、それ以上は話さなかった。
明日も朝からバレー。
そして――
誰も知らない。
赤葦京治が俳優としてドラマに出演していることも。
白布賢二郎が『だぁれかさんと遊ぼ』に出演していることも。
もちろん、二人が超人気アイドルグループ**『チョコレート』**のメンバーだということも。
合宿三日目。
6人には、また朝からバレーが待っている。
コメント
1件
「おかえり」「ただいま」のやり取り、すごく沁みました…。撮影現場で殺人鬼を演じる赤葦と、ホラー映画の白布。昼間のギャップと、夜の合宿所で見せる等身大の優しさが、同じ人とは思えないほど対照的で惹き込まれました。幼なじみたちが待ってるLINEの通知も、暗闇で起きてる声も、全部「帰る場所がある」って感じがして温かい。5話、重ねるほどに6人の絆が愛おしくなります。続き、楽しみにしてます🌙