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ゆゆゆゆ
#doublefedora
3,275
#Paycheck
夜のバー。
客はほとんどいない。
エリオットはカウンターに肘をついている。
グラスの氷をカランと鳴らした。
「なあ」
チャンスは隣に座っている。
「何だ」
エリオットは横目で見る。
「最近さ」
少し間。
「俺のこと避けてない?」
チャンスの手が一瞬止まる。
でもすぐグラスを持ち上げる。
「気のせいだ」
エリオットは笑う。
「嘘」
沈黙。
バーのジャズが流れている。
エリオットは体をチャンスの方に向ける。
「俺なんかした?」
チャンスは答えない。
グラスの中の酒を見ている。
エリオットは少しだけ真面目な声になる。
「なあ」
「……」
「前みたいにからかってこないじゃん」
チャンスは小さく息を吐く。
「仕事だ」
「は?」
「最近忙しい」
エリオットはじっと見る。
それから笑う。
「嘘下手だな」
チャンスの眉が少し寄る。
エリオットは言う。
「なあチャンス」
少し酔った声。
「俺のこと嫌いになった?」
その瞬間。
チャンスが顔を上げた。
少しだけ怒った顔。
「……なるわけないだろ」
エリオットは少し驚く。
その声は思ったより強かった。
沈黙。
チャンスは視線をそらす。
「ただ」
低い声。
「距離置いてるだけだ」
エリオットは首をかしげる。
「なんで?」
チャンスは答えない。
しばらくして。
小さく言う。
「……壊したくない」
エリオットは一瞬意味が分からない。
「何を?」
チャンスは言わない。
でも。
その沈黙で。
エリオットは気づく。
目が少し大きくなる。
「……あ」
チャンスはグラスを飲み干す。
「忘れろ」
立ち上がる。
でも。
エリオットが腕を掴んだ。
「待て」
チャンスは振り返る。
エリオットは少し笑っている。
でも耳が赤い。
「それさ」
少し間。
「もう遅い」
チャンスは眉を寄せる。
「何が」
エリオットはニヤッと笑う。
「俺も壊す気満々だから」
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