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長毛詐欺/コニー
39
国連×NATO要素あり
初めて貴方に会った時のこと。よく覚えています。
あれは象徴者様だけでの総会でした。
多分1900年代とかでしょうか。
貴方はアメリカ様の子供、なのですよね。
それなのにアメリカ様とあまり似てません。
アメリカ様よりも連盟によく似てる。
連盟とよく似た視線、同じ色の瞳。
自分のことを厭わない姿勢。
一人ぼっちなところ。
強がりで弱いところ。
暇な時に動く指の動かし方。
口の開き方。
白目が黒く瞳が暗い灰色で濁った左目。
冷たい覚悟を宿した明るい灰色の右目。
崩壊しかけの時の連盟を思い出す目。
本当に貴方は連盟とよく似ています。
でも連盟だけじゃない、昔の私のような。
そんな冷たさと無愛想も持っている。
あなたはまるで私が継げなかった連盟と私が失ってしまったものでできているようですごく変で不思議な感じ。
もしも、もしもこれで。
貴方と共に傷をつけながら頑張れたら。
貴方と共に平和な世界を見られたら。
貴方と共に笑い合えたならば。
そしたらそれは連盟と出来なかったことを、
連盟とやりたかったことを。
やれるのでしょうか。
いや、ダメですよね。
貴方は連盟とは違う。
貴方はただの欧米の軍事同盟の象徴者。
違うのです、重ねてはなりません。
そう、ですよね……?
「おーい国連、大丈夫か?」
アメリカ様の声。
その声で一気に現実へ引き戻された。
私は完全に上の空だった。
「大丈夫です……えっと、貴方が北大西洋条約機構ことNATO様。私、国際連合と申します。以後よろしくお願い致しますね。」
そう言い頭を軽く下げる。
彼も無愛想な返事を返し頭を下げた。
彼も席へ戻り話し合いが始まった。
そういえど象徴者に決定権はない。
ただ国の様子を聞くだけの話し合い。
安定してきたアメリカ様。
経済成長のすごい日本様。
革命軍により落とされそうな中華民国様。
植民地から脱却している国の方々。
沢山の国の様子を象徴者様から聞いた。
まだまだ世界平和は程遠い。
これからも頑張らなければ。
『よろしくお願いしますね、象徴者様!』
2000年のいつ頃か。
いつものように国際連合総会で人々と話し合った。私と人間だけの総会。
議題は象徴者様の扱いの話だった。
国民からどう反応されているか。
政治影響が及んでいるか。
人間にとって私達象徴者は邪魔な存在?
そんな気持ちを感じさせる発言。
すごく気持ちの悪い。
象徴者様が国の為にどれだけ我慢したか。
どれだけ尽くしてきたか。
そんなことも忘れてしまったのか。
人間はなんて身勝手なんだ。
戦争も全て人間の意思。
象徴者には拒否権などない。
戦場に出る他ないのに。
それなのに象徴者を邪魔扱い?
甚だ気持ちが悪い。
だから私は笑顔で答えた。
『ならば象徴者は自国ではなく別の場所、象徴者様専用の場所に住まわせませんか?
政治発言や戦争をする為ではなくその国の文化を体現する存在として過ごすのは。
そうしたら安全ですし世界平和に向けていいスタートになると思いませんか?』
人間達の反応はバラバラだった。
なんとも言えない反応を示す者。
いいなと反応を示す者。
拒否をしようとする者。
「象徴者同士で下手に仲良くなる可能性があるのではないかね?政治に影響を与えるのではないか?」
人間のひとりが質問を投げかけた。
何を言っているのだろうか。
こいつらは忘れてしまったのか?
私達象徴者は政治影響を及ぼせない。
政治の影響を強く受けているというのに。
政治面で仲の良い国は好きだとなるけれど。
政治面で不仲な国は嫌いとなるということ。
どうして人間はここまで象徴者の事を知らないのでしょうか?
本来もっと大切にするべきですよね?
どうしてこうも人間はこんなにも。
こんなにも愚かなんですか。
『いえ大丈夫ですよ。そこは象徴者も政治影響受けますので。敵対国と仲良くとかという心配はございませんよ』
「それだと戦争が起きかねないだろう?
争い事は避けなければならないぞ」
その通りです。
それでも私に考えがあるんです。
『私に考えがあるんです。
どうかそこの場所の管理全てを私に任せては頂けませんか?近状報告は致しますから。
象徴者が争いを起こさないように
特別な処置も取ります。』
人間達は渋々許可を出してくれた。
だから私の力で専用の島を作った。
名前のない象徴者専用の島。
これから呼び集めなければならない。
これでも全員が来てくれる確信はない。
でも少しでも平和に向けて動かなければ。
首相達各自から象徴者様に伝え直々で船を出してくれるとの結論へ落ち着いた。
本来いけないかもしれない。
でも私がそうしたいんです。
いいですよね?
『欧州連合や東南アジア連合といった地域連合の皆様も共に来てもらうことにしても、いいでしょうか?彼らも象徴者なのです、仲間はずれにはしたくないんです』
「構わないがちゃんと管理は。」
『ええ、、わかっています。ご承認いただきありがとうございました。
次の総会までにはちゃんと。』
これで総会は解散になった。
これから、これからはきっと。
象徴者様は嫌な目を向けられることも。
落ちぶれる自国の様子に泣くことも。
閉鎖的に過ごすことも。
全部なくなる。
私が象徴者様が楽しく過ごせるように。
環境を整えるんです。
なにがあっても絶対に守らなければ。
だって世界平和なんか無理ですから。
人間が仲良くなんかできる訳がない。
だから象徴者様だけでいいから。
仲良く過ごしたいのです。
貴方の夢と程遠いのはわかってます。
でもどうか、どうか赦してください。
こんな形でないと私には無理ですから。
いや、貴方なら赦してくれる。
象徴者を愛している貴方なら。
最初、渋々ではあった。
それでも全員がこの島へ来てくれて。
それぞれの寮や場所の説明もした。
最初は喧嘩や争いが絶えなかった。
中国様と台湾様。
北朝鮮様と韓国様。
イスラエル様とアラブの国の方々。
ロシア様とヨーロッパの方々。
日本様と韓国様。
アメリカ様と中国様達。
これだけでも相当だった。
でも10年以上を共にすれば形も変わる。
私達は政治だけでなく、自分たちの意思でしっかりと関係を選べるらしい。
勿論喧嘩が無くなった訳ではないです。
それでもみんながお互いを認められている。
にゃぽん様のおかげ。
彼女の多文化多宗教への異例な興味。
あれがなければこうはならなかった。
それぞれの営むお店もできて。
人間たちとの関わりも増えて。
どんどん皆様に笑顔が増えて。
みんな明るくなって。
連盟が見たらきっと喜んでくれるでしょう。
2025年の夏頃でした。
日本様ドイツ様イタリア様の3人が。
“連環”の元になる案を持ってきてくれた。
これは私達にとってかけがえのないもの。
あの3人がいなければ。
私達は不安定な関係でした。
本当に感謝してもしきれないです。
そして2025年9月21日。
連環を皆に与えた時のこと。
よく覚えています。
不安そうな顔をした皆様。
それでも連環をつけてくれたこと。
同じ仲間として認めてくれたこと。
本当に嬉しかったんです。
これで象徴者はみな仲間なんです。
少しは連盟の願い叶えられたでしょうか?
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