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「朝」
最も辛い時間帯
瞼を開ける、カーテンからほんの一筋の光が射していた。
「朝だ。」
これがぼくの朝。
学校の支度を終え、ぼくは朝食をとる。
味は薄らと感じる。塩は入れた、薄すぎて逆に気持ち悪い。
本当は朝食なんて取りたくないが、この体質で朝食をとらなければ耐えれないだろう。
朝食を終え学校へと向かう。
一人で小道は静かで何故か落ち着く。
道路に出た途端五月蝿くなり胸騒ぎがした。
道路に出たら同じ中学校の生徒が二人か三人、もしくは大人数で歩く。一人で歩く人もいるが少ない。誰もが歩く速度を隣に揃え、誰もが横一列になり歩いて、誰もが話し、誰もが「一人」を避ける。まるでその「一人」に近ずいたら毒が移るようだった。
もちろん、ぼくもそうだ。
何故かは分からない。周りがそうしているからだろうか。
歩いている内に足は勝手に動きだし、気づいたら校門を後にしていた。
靴を変え、教室へと向かう。後輩、先輩、先生みんなに笑顔を見せ、「おはようございます」と言葉を放つ。自分のしていることの意味はよく分からないがこれが所謂「生活習慣」だろう。
階段、廊下、教室、自分の席。いつもと同じく変わらない。ぼくのクラスの席順は男女混合でぼくの隣の男子は不登校だ。誰かが話す時も、誰かが走り回る時も、誰かが通る時もあの席は必ず「邪魔」と言われる。その言葉がぼくの耳に届いても聞いていない振りをする。本当は聞いている人が「そんなこと言ったら可哀想」を言うかもしれないが、ぼくはそう思わない。言ったら自分にも被害が当たるから。こんなクラスの嫌われ者が被害を受けたとしても誰も味方になってくれやしないことは知っているから。それだけではない、いじめを受けている人が居たとしても誰も止めない。困っている人が居たとしても誰も助けない。ただただ嘲笑いながらその「被害者」を責める。「お前が悪かったんだ」「お前があんなことしなければこんなことにはならない」責任を他人に押し付け自分は正義、もしくは正しい者だと主張するかのように振る舞う。それがこのクラス。いや、この学校と言った方がいいだろう。
チャイムが鳴る。
教師が教室に入った瞬間、周りからコソコソと教師への不満を放つが教師は気づかない。不満げな雰囲気のまま朝の会は終わり授業に移る。
一時間目は歴史だ。戦争についての動画を見せてもらった。現代人がどうしてそれを知っているのか、どうして戦争について学ぶのかよく分からないが見るしか無かった。誰かに聞いても「勉強だから」「この国の人間として知っておくべきことだから」などと、当たり前なことを言われるだろう。授業中に関係ないことを考えるのは悪いけどついつい考えてしまう。二時間目は数学、三時間目は理科四時間目は……
考えている間に過ぎていく時間に気付かず、気がつく頃に午前は過ぎていった…
続きは「昼編」で