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都会の夜は、田舎の夜とは違って眩しい。
ネオンの光をビルが反射してさらに街を輝かせる。こんな夜中にもまだ人が何十人と歩いていて、今が昼なのではないかと錯覚を起こさせる。
もう何年もここにいるから慣れたものだが、それこそここへ始めてきた時は何もかもが輝かしくて、興奮と共にビル群を見て目眩がしたものだ。あの時ほどの新鮮さは今は残念ながら失われてしまったものの夜中に来る此処は、星空よりも綺麗で鮮やかで、美しいと言える。
けどそれと同時に、薄汚れた汚い街でもある。美しく見えるのは色鮮やかなネオンを着飾っているから。ネオンのふもとで起こっている事はよいことばかりではない。
(あそこに立ってるのは…あぁ立ちんぼか)
ここには金持ちも、モノ好きも、変態野郎も何でもいる。身体を売ってる女も珍しくはない。この時間帯は一番の稼ぎ時だろう。芸能人や有名人ですら中にはこの自由な街で色に照らされ女を買う。
この辺じゃホテルもありゃ風俗だってあるから都合がいい。キャバクラもホストも…本当に良くも悪くもなんでも揃っている。
この時間帯にここを周る警官には同情するよ。手伝ってやりたいが、ザンネンだ、なんて。あんなやつらになど関わりたくもない。だからこそ同情をする。よくもまあ、あんなのとまともに向き合おうとするものだ。けど、俺たち警官は“未来あるコドモたち”を法律で守らなきゃならない決まりがある。
(風景は綺麗でも中身がダメじゃなあ。)
まあ、表なんかまだマシな方だが。ここを外れて少し裏にでも回ってみろ。都会の光が届かなくなったソコではレイプなんて当たり前、変な酔っぱらいもうろついてていつ殺されたっておかしくない、まるでデスゲームの会場。
一度裏を通って後悔してからは絶対に行かぬようにしている。裏に引きずり込まれた時は死を覚悟したほどだが特に何かされるわけでもなく運よく生きて帰れた。
しばらく歩くと色が落ち着いてくる。あと少しでこの街を抜けてしまう寂しさと、何もなかった事への安心感でため息をつく。
「一杯飲んできたらよかったな…」
そういいながらタバコに火をつける。
立ちのぼる煙を目で追った先に見えた星空は田舎ほどの量は見えないがとてもきれいだった。
都会も、やっぱ悪くはないな。