868ロスヨントス組
警察時代捏造ノベル
本人や実際のストグラ内のストーリーとは一切関係ない捏造ノベルです。
事実と捏造を混同しないようにお気をつけください。
本編⤵︎ ︎
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あれからの夕コと刃弐の昇進のスピードはとんでもなかった。
夕コが啖呵切った日の午後、そのまま2人はグレード2の昇進試験を受けたいと言い出し、ちょうど時間が空いていたので、夕コは俺が、刃弐は音鳴が見た。
グレード2の試験は事件対応と牢屋対応をそれぞれ一人きりでやりきると言うもの。
音鳴の迫真の犯人役で夕コは口プ炸裂、刃弐は天然のスルースキルで音鳴の心をズタボロにし、その日のうちに無事昇進。
その2ヶ月後、次はグレード3の試験を受けたいと言い出した。入ってだいたい4ヶ月、もしこれで昇進したら俺と並ぶぐらいのスピード出世だな、なんてニヤついてたのもつかの間。
グレード3は射撃と隠密行動の試験。2と比べて実戦に近い試験だが、2人とも難なくクリアした。
今回は俺が2人とも受け持ったけど、実戦はやや刃弐の方が得意みたいだった。
そしてその4ヶ月後、今度は夕コが1人でグレード4の試験を受けに来た。
刃弐はどうしたの?と聞くと
1回差つけて分からせてやろっかなって
とニヤニヤしながら言っていた。まぁ競争心って大事だからなぁ、と俺もニヤニヤしながら返した。
今回は俺に時間がなかったので音鳴に監督を務めてもらった。
音鳴に
夕コがグレード4の試験受けたいみたいだから見てやってくれる?
と話を回すと、
えぇぇぇええぇぇぇえええ?!?!もお?!?!
とでっかい声出して後ずさりしていた。
グレード4の試験はイン現場リーダー(IGL)を1人でこなすというもの。
元々夕コは空間把握能力に定評があったので難なくクリアし、昇進。
OKを出した音鳴の手は震えていたとか笑
そりゃそうだよね。入って半年ちょいで追いつかれちゃったんだからw
そしてその翌日、夕コにグレードを自慢された刃弐が速攻俺のところに駆け込んできて試験を受けた。
あいつぜってぇ許さねぇ
と息巻いていたが、焦って挑んだせいでその日は合格できなかった。
帰り道にさらに夕コにマウントを取られたらしい
もちろん1週間後にはしっかり合格して、 晴れて刃弐もグレード4になった。
音鳴はこの頃から昼飯時に
も、もうちょっと落ち着いてもいいんじゃない?
い、いやーグレード5は難しいよ??
とよくわからない脅しをかけるようになってた。まぁ全然2人とも聞く耳は持っていなかった。
そして2人がグレード4に上がったタイミングで、上層部が夕コと刃弐となぜか俺も注意して監視するようになった。
そりゃ異例のスピードで昇進を続けていれば目にも留まるだろう。なんたって当時の俺より早いからなぁ。
そしてその半年後、2人が入ってきて1年と数ヶ月経った頃、とうとうグレード5の試験を受けに来た。
グレード5の試験内容は、高度な事務作業と、高難易度ヘリレースのタイムアタック。
音鳴がグレード5に上がれないのは、地道な作業とヘリ操縦が大の苦手だから。
実力的には全然5はあるから誇ってもいいと思うんだけどね。
システム上この試験は2人とも俺が監督することになった。
夕コはたまに俺の事務作業を黙って手伝ってくれていることもあったんで時間内に難なくクリア。
ヘリレレースに関しては、地上も空もなんでもござれのオールラウンダーだったから一発クリアで合格だった。
まさか1年ちょっとで本当にグレード5になってしまうなんて誰が想像できたんだろう。音鳴の予想の半分ぐらいの速さでなっちゃった。俺がグレード5になるのも5年はかかったのになぁ。
そして刃弐はと言うと……
ヘリレースは特に問題はなかった。夕コには劣るが他の警察官よりは圧倒的に上手いし試験の時に自己ベストも更新したらしい。
ただ事務作業があまり得意ではなかったみたいで、時間内に作業を終わらせるどころか、自らギブアップしてしまった。
普段も手伝おうとはしてくれるものの、2分で席からいなくなっているのでそんな気はしていた。
文字を見るとじっとしてられなくなるらしい。
そ ういうところは音鳴と一緒だね、と言うと肩パンをくらった。痛い。
というわけで刃弐は不合格、そのままグレード4で継続となったが、果たして上がる日が来るのかは分からない。
翌日、昼飯の時間に夕コのグレード5を4人で祝った。音鳴が
えぇぇぇええ?刃弐くんは昇進できなかったんでちゅかぁ?
なんて刃弐をからかっていたので「お前も昇進できてないだろ」と言ってやろうと思ったが
音鳴と違って俺はヘリレースは合格してっから
と刃弐が火の玉ストレートを放ち、音鳴はめそめそご飯を食べていた。
俺と夕コは隣で爆笑した。
このまま何事もなくやっていけたらいいな、なんて思っていたら、夕コが「大事な話がある」と前のめりになって小さい声で話し始めた。
夕コ
「俺さ、グレード5に昇進したじゃん」
音鳴レダー刃弐
「「「うん」」」
夕コ
「やめろ気色悪いもっと離れろ」
夕コがヒソヒソ声で話すのでこちらもそうしようと3人で近づいたら一蹴された
夕コ
「で、昇進したしと思ってもう直接上のヤツらに話をしに行ったの」
レダー
「え、何を?」
夕コ
「『自分の隊が欲しいです』って」
音鳴レダー刃弐
「「「ええ!!!」」」」
夕コ
「うるせぇって!」
音鳴レダー刃弐
「ごめん」
刃弐
「それで、どうだったの」
夕コ
「結果的にはね、良いって!」
音鳴
「まじか?!」
刃弐
「やったじゃん」
レダー
「……」
夕コ
「そこでなんだけどさ」
音鳴
「はい?」
夕コ
「お前ら、俺直属の部下になってくんない?」
多分夕コは気づいてる。危険分子を1箇所にまとめて操ってやろうと言う上層部の思惑には。でも夕コが掲げた目標は、その思惑を打ち破った先にあるものだし、そんなこと言ってたらいつまでたっても進めない。
本当に夕コの行動力には驚かされるなぁ。と思いながらすぐに返事をした。
レダー
「しゃあなしだぞ」
音鳴
「まぁ俺らがいないと心細いやろ?」
刃弐
「どうしてもっていうんならねぇ?」
夕コ
「なんか鬱陶しいな…まぁよし!決まり!!じゃあ早速明日からよろしくな!!」
音鳴
「はや ?!?!」
おそらく夕コが作るこの隊は、夕コが守りたいと思っている人たちを守りやすくするためのもの。だから俺や刃弐、音鳴だけを誘ったんだろうなとは思う。
でも守りたいと思ってるのはお前だけじゃない。そしてそのお前の考えに気づかない俺らじゃない。
全員が全員、背中を預け合える関係ってこんなに眩しいものだっけと思うと、なんかすごく暖かい気持ちになるなぁ。
つづく
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!