「侑の好きな人」
侑(ゆう)は弱い目で私を見つめていた。
なにか言いたげな、それでいて私の言葉を待つような目。
「……だれって聞かないの?」
「え…… 」
「好きなやつのこと」
尋ねた侑は、ほんの少し 眦(まなじり)を柔らかくした。
汗が 滲(にじ)む。
以前の私ならすぐに尋ねた質問だ。
だけど今は……その答えを聞くのが怖い。
戸惑(とまど)いがちに、そっと侑の手が伸びた。
私に触れる直前、いつかの侑がフラッシュバックして、身がすくむ。
侑の手が止まった。
はっとした時、目の前の瞳が揺れる。
「……それで、その枕はボツ?」
侑はひょいと私の手から枕を取った。
「あ、本当に手触りいいじゃん。 これにするよ、買ってくるから待ってて」
「あ…… 」
「あとさ」
レジに向かう侑が振り向いた。
私と目を合わせ、ふっと笑う。
「かき氷食っ************
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