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ある日の夜、顔は涙で乱された面をした少年が虹色のように輝く場所へと自身の足が導いた。そこはまるで夢のような光景。小さい脚幅で草を掻き分け、奥へ奥へと進んで行くと見知らぬ男が胡座をかきながら俯いている。自分より一回り大きい体を叩く
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?「ッ……こんなところ、どうしたの?」
雲「ぇっと……なにしてるの?」
?「…君にはまだ早い話をすることになるよ」
雲「おれとあそぼ?」
?「……なにするの?」
雲「はなつみ!」
?「君は元気でいいね…」
雲「?…おにいちゃんは?」
?「それは……どうだろ」
?「…名前は?」
雲「おれ?ひばり!」
?「かっこいい名前だね…」
雲「おにいちゃんは?」
?「…奏斗」
雲「かあと?」
奏「そ、」
雲「かあと…くん?あそぼ!」
奏「………ねぇ」
雲「なに?」
奏「……あの薔薇、綺麗じゃない?」
雲「ほんとだ!」
奏「…雲雀君の目の色みたいで綺麗…」
雲「おれ?」
奏「雲雀君は今、楽しい?」
雲「おれ、たのしいよ!」
奏「……男が男を好きになるって変かな…」
雲「おとこがおとこをすきになる?」
雲「?……おとこって、おれとかあとくんみたいなこと?」
奏「そ、」
奏「気持ちわ
雲「かっこいい!」
奏「へ、、」
雲「なんかヒーローみたいでかっこいい!」
奏「…そっ、か…かっこいい…」
雲「かあとくんはそうなの?」
奏「まぁ…」
雲「かっこいい!かあとくん!」
奏「ありがと、」
雲「おれもおとこすきになる?」
奏「それは難しい話だよ…」
雲「そぉ?」
雲「おれはみんなだいすき!!」
奏「…僕も雲雀君好きだよ」
雲「ほんと!うれしい!!」
奏「…雲雀君にこれ、あげる」
雲「なぁに?これ」
奏「ダイヤモンドリリーって言う花」
雲「だあもんどひひー?」
奏「…可愛いね」
雲「おれ?かわい??」
奏「…ぁ、ごめんねかっこいいよ」
雲「かわいいのほうがいい!」
奏「…ぇ?」
雲「かっこいいもいいけど、かわいいもいい!」
奏「……」
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雲雀を見ると服装にピンク色や、明るいオレンジ色の花柄やハートのついた服を着ていた。
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奏「君…またここで会おう」
雲「ここで?うん!!あおうね!」
奏「…これ、あげる」
雲「きえい!」
奏「似合ってる、」
雲「ありがと!」
奏「……じゃあ…またね」
雲「ばいばい!かあとくん!!」
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🔍 ダイヤモンドリリー 花言葉
ダイヤモンドリリー(ネリネ)の花言葉には、
「また会う日を楽しみに」「華やか」「幸せな思い出」「輝き」「忍耐」「箱入り娘」などがあります。
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あの頃の思い出。いつかは思い出す。あの人物。いつかは忘れる。あの花。いつかは知る。あの意味を。
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奏「…ッ」
m「俺……彼女できました〜〜!!」
m「マジかよ…先越すなって〜」
m「なぁ、廊下騒がしくね?」
m「見に行く?」
m「おう……お、カップル誕生してるやん」
m「フューフュー‼︎」
m「最近彼女出来るやつ増えたよな〜」
m「まじそれな?」
m「独身煽り行くか?」
m「お前性格悪wwww」
m「いやいやww」
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多様性の世界で成り立っているはずの世の中は全く多様性では無いことを、毎日知らせる。この僕に。なぜ男は女を好きになって、女は男を好きになることが作られたのか。それは昔からの伝承でもあり、言い伝えでもある。それが常識。当たり前。に、なっているせいでこんな僕みたいな人間が苦しむ結果になるんだ。誰も僕に味方してくれない世界に孤独で生きていくのか。辛いよ
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奏「……ぁ…」
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ベランダへ出るとある日のことを思い出す。約8年前の出来事。多分あの子は小学生くらいだっただろうか。今はもう高校1年生くらいなのかな。僕はもう21歳だ。大学に入って彼女も出来ず、なにも楽しくもない無力の生活を送って今、昔の広場へ行き少年と会ったのを思い出した。あれこれしている内にはもう、冷たい空気を体内へ入れていた。
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奏「ッ…は、なつ…」
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変わっていない。この神秘的な場所。あの少年の名前はなんだったっけ。〜〜りとか…だった気がする。近くにあったベンチへ腰を下ろし、スマホを取り出して写真を一枚。その音に反応したかのように奥の方から草を掻き分ける音がした。
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?「は、うわ…すげ…」
?「ん?あなたは…誰っすか?」
奏「…奏斗」
?「奏斗…」
?「奏…斗…奏……斗、」
?「……奏斗?…………あ!」
奏「ッ」
?「ねぇ、!俺…雲雀‼︎覚えてる⁉︎」
奏「…ぁ…え?雲雀…君?」
雲「奏斗‼︎さん…か、」
雲「えっ…奇跡か?」
奏「雲雀…君…お久しぶり」
雲「奏斗さん!え、…今…いつく…」
奏「21歳」
雲「えっ…俺…16歳っす…」
雲「確か…小学生の頃っすよね?」
奏「あぁ、あの…ピンク色の服」
雲「ッw俺、昔そんなの着てたな〜」
雲「奏斗さんは、、難しい話ってなんすか?」
奏「もう…高校生か、」
雲「そうっす!教えて…くれます?」
奏「………僕……男の人を好きになる。ゲイなんだ」
雲「えっと……なんか言ってた気ぃするわ!」
奏「…雲雀君は彼女いる?」
雲「俺⁉︎いないっすよw」
雲「奏斗さんは〜、彼氏?いるんすか?」
奏「いないよ」
雲「…俺…も実は、恋愛対象が男なんすよね…w」
奏「…生き辛い…でしょ」
雲「いや?」
雲「学校の先生とか、女の子とかがフォローたっっくさんしてくれて!!」
雲「好きな人、いるんすよね……」
奏「良かったじゃん、いいね」
雲「…あ、…なんか…ごめん…」
奏「いや、大丈夫だよ。楽しそうでなにより。」
雲「あの…実は…もう一つ…」
奏「…ん?」
雲「……俺の好きな人、」
雲「奏斗さんなんすよね……」
奏「……え?」
雲「あぁ、ごめんなさい!!」
奏「……僕のこと好き?」
雲「へっ、あの…部屋掃除してたら…」
雲「この花が出て来て…」
奏「………綺麗だね…」
雲「えっと………ダイヤモンドリリー!!」
雲「また、…会えました……ね?」
奏「……なんか…複雑な気持ち」
雲「俺もっすよw」
奏「………ねぇ、連絡交換しない?」
雲「あ、いいっすよ!」
奏「……ありがとう」
雲「こちらこそ!!」
奏「…………」
雲「……その……好きって話。」
雲「……奏斗、」
奏「……どうしたの?」
雲「これ…覚えてるっすか?」
奏「…写真?…しかも…?2人?」
雲「……奏斗と俺……生き別れの兄弟だったらしい。」
奏「へ…」
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2人とも母親のいない子供。
母親は、2人の兄弟を産む為に命を落とした。
1人の赤ちゃんは脳への損傷。
もう1人の赤ちゃんは無傷。
記憶喪失の弟。泣き虫の兄。
あの涙で乱された顔は母親が空へと旅立った日
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