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どっちサイドも尊すぎる😊✨
湊さんサイドもいいですね♡♡ また楽しみにしてます(*´꒳`*)
風呂から上がると居間のソファーにシンが寝そべっている。とっくに風呂に入った筈なのに…。
「こんなとこで寝たら風邪ひくぞ」
大事な時期なのだから風邪をひいたらどうするんだ…。
心配する湊をよそに
「もう少しだけ…」
そんな言葉が返ってくる。
「寝るならベッドで寝ろ」
「じゃ…湊さんが抱っこして連れて行ってください」
うっ……。
寝そべりながら上目遣いで甘えてくるシンを可愛いと思ってしまった…。
「やだよっ。つーか無理!お前デカ過ぎなんだよっ」
「ならまだここにいます…」
拗ねるシンも可愛いくてバレないように心の中で笑った。
「勝手にしろ……」
そう言いながらわざとシンの側に腰をかけた。
案の定湊の腰にシンが抱きつく。
「湊さん…温かい……」
まわされた腕がひんやりしている事に気がつく。
シンの手に触れると少し冷たい。
「寒いのか…?」
湯冷めでもしたら大変だとブランケットに手を伸ばしシンの身体にかけた。
「ありがとうございます…。湊さんも一緒に入りませんか?」
少しだけ迷った。
温めてあげたい気持ちもあるが、狭いソファーに大人2人が横になるのもどうなだろうか…。
迷った挙句
「俺は…いいよ……」
断る事にした。
それなのにシンはさらに腰を引き寄せる。
「身体冷えちゃって……温めてくれませんか…?」
そんな事言われたら断る理由がない。
「…しょうがねぇ…な……」
シンに甘えられると応えたくなる…。
手を広げて待っているシンの腕の中に身を預ける。
いつも一緒に寝ているベッドより狭いソファーでは密着度が増す。
嬉しいような恥ずかしさが湊を緊張させる。
不意に髪をいじられる。
「お風呂上がりに髪に何かつけてます?」
「特に何もしてねぇけど…なんで?」
「いつもすごくいい匂いがするので気になってて…」
「ん…?そっかぁ?」
「いい匂いの正体は湊さんの匂い…なんですねきっと…」
「なんだそれ…」
俺の匂いってなんだよ…。
可笑しくて笑ってしまう。
「好きです…湊さんの香り……」
髪に顔を埋めるシンがくすぐったかった。
くすぐったくてシンの方に身体を向けた。
シンの匂いがする…。
手を伸ばしシンの髪に触れる。
「俺はお前の匂いの方が…好きだけどな……」
いつも香る匂いも好きだが、大学から帰った後の匂いも好きだった。
消毒の匂いがすれば、今日は何の実験をしたのだろう…とか。カレーの匂いがすればお昼は食堂でカレーを食べたのだろうか…とか。そんな自分の知らない時間のシンを教えてくれる。
どんだけシンの事考えてんだよ…俺……。
そう思ったら赤くなってしまった。
「ありがとうございます……」
素直なところもまた…。
「そろそろあっち行かねぇか…ここ狭い…」
体制もそうだが、あまりに近過ぎるシンの顔に耐えきれなくなっていた。
「そうですね…でも…もう少しだけ…このままでいさせてください…」
湊を優しく抱きしめてくれるシンの全てが愛おしくてたまらない。
「ったく…しゃーねぇな……」
もう少しだけ付き合う事にした…。
【あとがき】
シンと湊のそれぞれの視点で同じ場面を書いてみました。
やっと寒くなってきましたね…。
まだ書きたい話が頭の中にあります。
それでは、また次回作でお会いできますように…。
月乃水萌