番外編
家にて
どうしよう、親になんて言おう。
僕は心の中で考える。
まだ、怖い。
どうしてもやりたい夢を、壊されるんじゃないかって。
どうしてもやりたいものを、黒く塗りつぶされるんじゃないかって。
でも、こむさんが言ってくれたんだ。仲間がいるって、居場所があるって。
だから
少なくとも、僕は……
yu「……お母さん、話があるんだ」
mm「優真?どうかしたの?」
yu「僕、ゲーム実況部やめない」
mm「……優真?今なんと言ったの?」
yu「ゲーム実況部、やめないって言った」
目の前のお母さんは、顔がどんどん赤くなっていく。
少し前までの僕は、この状況だけで怖かった。
期待を裏切りたくもなかった。
変なことで、嫌われるのも嫌だった。
だから、ずっと素直に従ってたんだ。
それから、どんどんおかしくなっていって……。
お母さんのせいとは言わない。
だって、全部僕がおかしかったから。
全部、暗い部屋に閉じ込めて……。
何も相談しなかった、好きなことが分からなくなっていた。
今の状況が、幸せだって言えなかった。
今でも苦しいよ。
プレッシャーはひどいし、自分でも緊張感が漂ってる。
少なくとも、少しは無くしたいんだ。
部活の仲間とも一緒にいたい。
ずっと、ずっと……
だから…………
mm「ふざけないでちょうだいッッ!あなたは将来医者をつ……」
yu「医者も継がない」
mm「なッッ……!?何を言っているの優真……!!
おかしくなってしまったのッッ……?
あぁもうッッ……あんな馬鹿げた部活に入るから……」
mm「え………」
yu「みんな優しくしてくれる部活のどこが馬鹿げてるの!?
夢に向かって進む部活の何が馬鹿げてるのッッ!?
親は子供の価値を決めるわけでもないし、子供は親のトロフィーなんかじゃない!!」
mm「ッッ……!!」
本当のことなんだ。
ずっと一緒にいたいだけ…。
ただ、それだけなんだ。
kn「ママぁッッ……僕からもッッ…!」
mm「ッッ……!?健斗……!?」
kn「優真兄、苦しそうな顔してたんだよッッ……!!、
ずっと我慢してたのッッ !
やだよぉッ……!もうやめてよ!!ぅ優真兄が可哀想だよぉッッ ~……!!」
mm「ッ…………!」
kn「ッッぁ、ッゆぅま”に”ぃ “ッッ……!!ごめんなしゃぃッッ “!
う”ッ、気づけなくて、ひッ、ぅ、ごめんなさいッッ ~……!”」
yu「ッッ健斗…………いいんだよ、大丈夫。ありがとう」
健斗が抱きついてくる。
大切な弟だって気づいてくれていたんだ。
僕のこと、全部全部。
嬉しかった。
僕には味方がいないんじゃないかって、正義のヒーローは現れないんじゃないかって。
どんどん、仲間がさっていくんじゃないかって。
ものすごく、不安だった。
心が苦しくなって、耐えきれなくて…
消えちゃいたいって、僕じゃ期待に応えられないって…。
迷惑かけちゃうなって…
でも、全部被害妄想だった。
味方だっていた。
正義のヒーローだっていた。
仲間も、僕のことを心配してずっとそばにいてくれていた。
そんな仲間たちがいる部活の何がおかしい?
みんなのために働ける人たちが集まっている部活の何がおかしい?
僕の家は医者を継がなきゃ行けない。
そう言われてる。
でも僕は、ずっと否定し続ける。
勉強はずっとしたままでいい。
本も、ずっと読み続けてもなんの支障もない。
ただ、
yu「お母さん。
あのね、人にはそれぞれ楽しめることがあるって僕の部活の先輩が教えてくれたんだ。」
mm「ッッ……!!」
yu「ずっと不安だった。
心だって、もうなくなっちゃったんじゃないかって。
僕、お母さんのことは大好きだよ。この世でたった一人のお母さんだから」
mm「ッ ~…!優真ッッ …」
yu「だからね、嫌いだとは言わない。
離れたいとも思わない。
だけど、お母さんの意思には間違ってるものがあると思う。
お母さんとっては正しいことが、僕にとっては正しくないかもしれない。
…正しくない事だってある。
そう、教えてくれたの。」
mm「正しく、ないこと…………」
yu「僕はずっと期待に応えるために勉強を頑張ってきた。
だけど、今はそうじゃない。
頼られたい、みんなとずっと一緒にいたいから。
まだ怖い、失敗するかもしれない…。
だけど、仲間がいるから頑張れるの。
だからね、仲間ってすごいんだよ。
僕のことを一瞬で元気付けてくれる、楽しくさせてくれて…
ずっと、そこに居たいんだって、自然に思っちゃうんだ。
だから、お願い。
ずっと、居場所が欲しかったの。
ずっと、みんなで過ごして、笑って、何気ない日常を送りたいんだ。
お願い、これだけでいい。
ゲーム実況部にいさせてッッ!
僕は、前のお母さんに向かってお願いした。
反応が怖かった。
ずっと、何秒か黙っていて…。
気づけば、僕の体は暖かい感触がした。
yu「ぇッッ………」
mm「ごめんね優真、私の大切な子供だっていうのに、自由にさせてあげられなくて…。
これからは、もっと自由に生きて良いのよ。
本当にごめんなさいッッ…優真…」
yu「ッッ……お母さん…、ううん、良いの。
ちょっと苦しかったけどね…」
mm「素敵な仲間ができたのねッ…、良かったわ。
yu「 ~ ~ッッ…!うんッッ!」
kn「優真兄優真兄!!僕も聞きたい!!いいッッ?」
yu「うん、いいよッッw」
それから、3人でおしゃべりした。
こんな楽しい空間は、小さい時以来だった。
すごく,楽しくて、部活の仲間のおかげだなと心の中で実感した。
end
コメント
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健斗ナイス!!!!!
こむゆーや