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もな
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新学期が始まったばかりで行事が多く、その日の定時制の高校ではいつもより早く予定が終わったため、夜の給食は無かった、とカンナは言った。
それを証明するかのように、カンナはよく食べた。ハンバーグ、ウインナー、アスパラのベーコン巻きのミックスグリルに単品の唐揚げを付けて、ライスは大盛り、ドリンクバーには5分おきに行った。
普通のハンバーグセットにライス小盛りを頼んだ晶子は目を丸くしてカンナの食べっぷりを見ていた。
「カンナを見てるとこっちまでお腹いっぱいになりそう。うらやましい程おいしそうに食べるね」
晶子がそう言うと、カンナはいつものように「ギャハハ」と豪快に笑った。
「アルバイトのメイド喫茶の仕事って結構な肉体労働なんだよな。体が資本ってやつだよ」
食事が済み、向かい合ってドリンクを飲みながら、自然と話は、晶子の昼間の進路指導の事になった。
しばらく黙って口にくわえたストローを上下に動かしていたカンナは、ストローをグラスに戻し、珍しく真剣な口調で言った。
「あたいはその進路指導の先生の言う事の方が分かるな。ま、それが正解だとまでは言わねえけどさ」
晶子は意外な言葉が返って来たと感じ、目をぱちくりさせた。
「え? だって就職のための、何て言うか、方便みたいに受験を考えろって言われたみたいに、あたしはそう感じたんだけど」
「いや、それのどこがおかしいんだよ? 大学に行くってそういう事だろ?」
晶子はますます困惑した。カンナの言葉とは思えなかった。
「ええと、大学へ行くのは、その、何て言うか、学問をするためと。あ、そうだ。歴史の先生が言ってたのは、大学に行って知識や視野を広げるのが大事とか」
カンナは大げさに頭を前後にゆすって見せた。
「それって、絶対真に受けちゃダメなパターンだぞ。良太がいい例だ」
「ああ、カンナのカレシさんね。今何してるの、お仕事?」
「相変わらずフラフラしてらあ。どんな仕事に就いても半年と続きゃしねえ。なあ、晶子、良太が卒業したのは普通科だって知ってたか?」
晶子が首を横に振った。それを見たカンナが言葉を続けた。
「良太が高校受験の時に学校の先生から言われたセリフが正にそれだったらしいぞ。あいつんち、周りが工業高校とかの実業系の生徒ばかりだったから、普通科の高校に行くってのは、本人より親が乗り気だったんだ」
「ご両親の希望だったって事?」
「そうだ。うちの息子が普通科の高校に入れるってんで、親の方が舞い上がっちまったのさ。けどそこは不良が集まる事で有名な底辺校だった。あたいの見るとこだとさ、良太は根っからの不良じゃないんだな。けどそんな底辺校に行ったら周りに流されて授業そっちのけで悪い遊びに誘われて、言われるままにはまっちまった。そんなとこだな、本人から聞いた話じゃ」
「良太さんは進学先を間違えた。カンナはそう思っているわけ?」
「ああ、そう思ってる。いいか晶子、進学ってのはな、投資なんだよ」
「投資!」
コメント
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わあ、カンナのあの「進学は投資!」の一言、すごく刺さりました。普段は豪快な彼女が珍しく真剣な口調になる瞬間、晶子と同じで私もドキッとしました。良太さんの例を挙げて「普通科だからって安心できない」って話、すごくリアルで考えさせられます。この二人の温度差が絶妙で、次が気になりますね。