これから始まるのは🎼☔️サマの嫌われです。
それでも良い方はご覧下さい。
ダメな方はブラウザバックでお願い致します。
ではどうぞ、
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11月3日、ライブまで後5日
その日の練習室の空気はどこか湿っていた。
蛍光灯の白い光が6人の足元に淡い影を落す。
歌声とビートが反響し、四角い部屋を満たしていた。
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☔️seed
🎼🌸「….次は…2番から合わせよっか」
リーダーの声に、全員が小さく頷いていた。
だがこさめはソファに腰を沈めたまま、マイクを握り、力の抜けた姿勢でトントンと靴先を鳴らした。
🎼☔️「えぇ〜?またやるのぉ?また明日にしようよ〜?」
短い沈黙が落ちた。
空気が重い。
軽くしようとしたはずの言葉が、逆にその重さを増していく。
誰も笑えなかった。
🎼🌸「まぁあと少しやっとかない?もう本番まで近いんだから」
少しキレ気味ならんくんに言われ、渋々こさめは立ち上がった。
疲労が身体にまとわりつき、限界が近いのを感じ取っていた。
だが、”みんなで仕上げたい”
__その想いだけが心の奥で灯っていた。
🎼☔️「…しょうがないなぁ(苦笑」
そういってニヤリと笑い、マイク構え定位置に立った。
音源が流れ出す。
その瞬間身体が勝手に動き出した。
“疲れ”よりも”歌いたい”が先に来ていたのだ。
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🌸seed
音源が流れ始めると、さっきまで気だるそうにしていたこさめが、変わった。
まるでスイッチがカチッと押されたように。
やっぱりこさめも凄いな。
そう思いながら、俺も歌い続けた。
曲を通し終えた後、
メンバーのダンスと歌声の余韻だけが部屋を覆った。
沈黙。
その一言が似合う空気感。
メンバーの冷たい呼吸音と、こさめの小さな溜息。
__こさめはまだ本気を出していない。
そう思うと言葉にならない苛立ちが、部屋を覆った。
誰も目が合わせられなかった。
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☔️seed
夜。
こさめは他メンバーの配信を見ながら、編集作業をしていた。
画面の中では笑顔が溢れていた。
『今日もなつくんかっこよすぎ!?』
『らんくんの神対応最高!』
そんなコメント流れている中、
こさめは無言でキーボードをカタカタと鳴らし続けた。
__次の日、こさめの配信。
『….こさめくんまた適当?』
『マジでやる気が見えん、他メン見習えよ』
『他メンとの差がやばいw』
他にも普通のコメントがあった。
だが目に入るのはアンチばかりだった。
こさめは画面を横目で眺め、口元だけを緩めこう言った。
🎼☔️「こさめは、あんまり真面目キャラじゃないからなぁ〜(苦笑」
モニターに映る自分の笑顔が酷く歪んで見えた。
その笑い混じりに呟いた一言は、すぐに切り抜かれた。
翌日には『#やる気ゼロ』というタグとともに拡散されていった。
SNSには知らない人の嘲笑が並んでいた。
“もう見ないでおこう”と心で言い聞かせても、指は止まらなかった。
タイムラインをスクロールする度、
目に飛び込むのは、赤く染まっていく”こさめ”の名前。
こさめはそれを呆然と見つめることしか出来なかった。
__見たくもないのに。
反論したところで結果は目に見えている。
そうしている間にも、その名前は赤く染まっていく。
まるで__消えることのない炎のように。
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